2018年5月25日金曜日
2018.6月号 ダウト
――昨年秋から今年の春に渡り行った「ダウト47都道府県対抗!国盗リ合戦!-復刻LIVE BAND TOUR-」、無料開催というかなりリスキーなスタイルで行いましたが、実際に終えてみて、どんな手応えを覚えています?
幸樹 何時もダウトのライブを観に来てくれている子たちからの一緒にやり遂げた声はもちろん、これまでイベントライブを通して観たことはあるけど、ワンマンへ足を運んだ経験のない人たち。以前はダウトのライブへ通っていたけど、今回無料ということで久しぶりに来てく れた人たち。今回初めてダウトのライブを目にした人たちなど、いろんな人たちに今のダウトの姿を観てもらえる機会になったのが一番大きかったこと。中でも、初めて観る人たちにとって、雑誌などで目にしてきたダウトを直接感じてもらえたことは、観てくれた人たちにとっても、僕らメンバー自身も、とても良い経験値になったなと思っています。
――今回は全ヶ所無料公演。そこが、太っ腹ですよね。
威吹 ダウトにとっての一番のプロモーション手段ってライブなんですよ。
幸樹 だからこそ今回、ダウトに触れる入り口のハードルをあえて下げてみたわけですけど。今は、いろんなバンドさんが47都道府県ワンマンツアーをやっているご時世。ただ回るだけではなく、ダウト独自のやり方でダウト一番の魅力を伝えてゆくべきと考えたとき、その手法が今回は一番ベストだったわけなんです。
威吹 そうやってハードルを下げたことで、ダウトに興味を持っていた新規ファンが多く訪れれば、久しぶりにライブに足を運んでくれた人たちも各地でいたし、みんな一様に「楽しい」という声を返してくれたので、そういった面でもやって良かったなと思います。地方にもコンスタントに行けたほうが喜んでくれる人たちが多くなるなというのも改めて感じてました。
玲夏 ツアー前とツアー後を比べたら、間違いなくファンたちとの関係性を深く築けたのも大きかった。何より、短いスパンの中でライブを重ね続けたことで得た自信も大きくって。改めて、何処に行ってもダウトらしさを見せられる力がついたなとも感じてる。個人的にも、ステージに立つうえでの自信がついたツアーだったんですけど。自分の中で守ってきたライブへ向けてのルーティンにいろんな変化を与えていけば、それによって得た新しい発見もあったツアーだったなとも思っています。
ひヵる 確かに、自分たちの中でいろいろ変わったことはあるんだけど。それが具体的な形として現れてくるのは、きっと、これからの展開からなんだとも思ってる。
幸樹 以前のダウトは、「俺らはこういう音楽性を示すバンド。それを好きになってくれたら嬉しいけど、合わないならしょうがない」というマインドでした。もちろん、その意識も大事だと思うけど。今回のツアーを通し、「この曲では、みんなとこう騒ぎたい」など、自分たちからファンたちに歩み寄るというか、こちらから提示してゆくことも大事だなと改めて感じさせられました。今回のツアーを通し、具体的な目に見える大きな変化をつかんだというよりも、バンド内での内面的な変化をつかめたことのほうが大きかったこと。ひヵるも言ってたように、具体的な成果として花咲くのはこれからなんだと思います。
――直人さん、終えてみて、どんな想いを胸に抱いてます?
直人 まさか音楽人生の中、47都道府県をライブで回る経験をするとは思ってもいなかったので良い経験になったのと、おかけで車の運転が上手くなりました(笑)。
――今回、無料で47都道府県ワンマンツアーを行ったのも、バンドとして何かしら意識改革を求めていた面も大きかったのでしょうか?
幸樹 大きかったですね。長くバンド活動を続けていくための意思疎通を改めてしっかりと出来た。その成果を具体的に出していこうというのが、これからなんだと思います。
――5月23日に最新シングル『閃光花火』をリリース。今回は、何処か哀切さやノスタルジー感漂うバラードで攻めました。
威吹 選曲会のときに、「今回はバラードがいいんじゃないか」という話から決まったことなんだけど…。
幸樹 ダウトってバラードもぜんぜん表現していくバンドなのに、意外とシングルではバラードを出す機会が少なかったことから選んだ形でした。『閃光花火』を作るうえでも、日本人の好きなツボを突いたメロディは意識していましたね。それと、今回はダイナミックな楽曲ではないぶん、逆に、どれだけ聴いた人たちと近いところで歌うかというのも意識していきました。
――歌詞では、言葉遊びもしていません?
幸樹 月日の短さを花火に例えながら『閃光花火』の歌詞を書いたんですけど。音感だけで捉えたら、線香花火になるところを、なぜ『閃光花火』にしたのか。そこの意味は、聞いてもらえたらわかると思います。
直人 この楽曲、4月に行ったツアーのファイナル公演で一度披露してるんですね。だから、レコーディングでも気持ちを持っていきやすかったし、久しぶりにベースと一緒に録れたのも、あのノリを作るうえではデカかったね。
玲夏 『閃光花火』では上手く聞かせようよりも人間味を出したいと思っていたように、テイク数もあんまし重ねることなく…。
直人 2テイク録って、使ったのが1テイク目になります。
玲夏 それくらい、最初から良い意味でフランクに演奏出来たなぁと思います。個人的に、今回のツアーのファイナル公演でバラードの新曲を演奏するのが自分の理想としてあったこと。それは、「47都道府県ワンマンツアーもこれで終わりだね」と締め括るのではなく、ファンたちへ次のダウトの姿も提示したいなと思ってのこと。そのイメージを具現化したのが『閃光花火』なんです。
――先を提示してゆくことは、やはり大事なことだ。
玲夏 区切りにするのではなく、あくまでもずっと繋がり続けていくことが大切だなと思ってる。
ひヵる ファイナル公演で『閃光花火』を演奏したときから、「こういう歌を待ってました」という声もあったように、反響はすごく良かったんですよ。歌はちょっと切なくも聞こえますけど、演奏面では身体でノリを覚えるリズム感を出しているところも魅力だなと感じています。
威吹 新曲でバラードを発表すること自体、ダウトとしては久しぶりになるんですけど。このタイミングでバラードを持ってきたことは、すごく良かったなと思えていますからね。
――一転、C/Wには疾走感を持った『自虐の詩』を持ってきました。
ひヵる 『閃光花火』とのバランスを考えて『自虐の詩』を収録したんですけど。楽曲を作っているときは、まだ47都道府県ワンマンツアーをやってた頃のライブの感覚が残っていたこともあって、高いモチベーションを詰め込んだ形で作りました。制作の段階でも、メンバーみんなのアイデアをもらいながらまとめあげたように、改めて5人で作る作業の楽しさを味わえた楽曲でした。
玲夏 良い意味で悩んでたというか、一度作りあげては、若干コードを変えたりを何度か繰り返していたように、よく良くしようとブラッシュアップし続けていたその気持ちも伝わってくれば,それを受けて僕らも一緒に高め合う作業をしていましたからね。
威吹 ひヵるの求めている楽曲の姿へ、メンバーそれぞれにアイデアを提示していく、その作業自体が楽しかったからね。
直人 最初はギターソロの入ってない形だったところへ、「ギターソロも欲しい」と無茶振りをしたら、見事に引き倒してくれて。「だったら俺も叩き倒すわ」とやれたように、すごくいい形で録れたなと思う。実際に完成した楽曲は、パンクっぽい要素もありながらメロディは歌謡曲しているように、とてもダウトっぽいなとも感じていますからね。
――『自虐の詩』の歌詞は、47都道府県ワンマンツアーを経験したうえでの想いなのでしょうか?
幸樹 いや、楽曲を聴いたときに閃いた言葉から広げた形です。歌詞もだいぶストレートに想いを吐き出した形になりました。
――ダウトは6月より、47都道府県完走!大感謝祭ツアー2018「御礼参リクエストAWARD~投票亡き者は鬼畜セトリの刑に処す~」をスタートさせます。今回選んだ場所の基準が気になります。
幸樹 今回の47都道府県ワンマンツアーを行ったときに動員の多かった上位10ヶ所を選んでいます。中でも北海道が一番集客が多かったことから、そのお礼を兼ねて3ヶ所組みました。しかも今回は、各公演地ごとのリクエストに合わせてのように、毎回セットリストも変わりますし、僕らも(取材時点では)何を演奏するのかを楽しみにしています。
威吹 札幌以外の場所で演奏するのは初めてだから、そこも楽しみなんです。
ひヵる 途中経過を観てるだけでも、各地かなり面白くなりそうです。普段の自分たちなら選ばない曲たちもいろいろ出ていれば、土地柄によってバラードが好きな場所や、昔の曲が多い場所、逆に、最近の楽曲が多い場所など、見事にバラバラなんですよ。何処でも共通しているのが、普段あまり演奏しない楽曲が多いこと。意外と人気の高い曲が『慟哭にて時雨』と『棘』というのも出てきています。
直人 1年前に全曲ライブをやっているから、どんな楽曲が来ても大丈夫だけど、いろいろ思い返しながら演奏をするのも楽しみだね。
玲夏 ライブの流れ的にちぐはぐになりそうなら調整はしますけど、セトリの流れも、出来れば、その地域ごとの人気投票に沿う形で演奏したいなと思ってる。
ひヵる 各地新旧取り混ぜた内容になるよう、そこは僕らも楽しみにしています。
――今後もダウトは、果敢にいろんな挑戦をし続けていくんでしょうね。
幸樹 期待に応えつつ、ファンの子たちが想像出来る枠内にとらわれたくはないと思っているように、そこはね。それに、メンバーそれぞれ叶えたい夢や想いがあるように、まずは実現していけるところから叶えていこうという気持ちで、これからも進んでいこうと思ってます。
Interview:TOMONORI NAGASAWA
