2018年5月25日金曜日

2018.6月号 ベル


──今回は、4人でどのような話し合いをしてから制作に入ったのですか?
明弥:去年は3ヶ月連続で作品を出したり、ポップでバリエーションのあるフル・アルバム『JUKE BOX』を作ったことで、ベルが奏でればベルサウンドになるだろうという自信が付いたんですよね。それで、バンドがやりたいことの1つとして挙げている歌謡曲はもちろん、他にもこういった音楽をやりたい、こういったメッセージを持つ曲をやりたいという欲が最近では増してきたので、そこを1度フラットにしてやってみたというのが、今回のニュー・シングル「夏風」ですね。
ハロ:歌謡曲をやればベルサウンドになるというのがわかったからこそ、もう1回ちゃんとベルという音楽を突き詰めるシングルにしてみようと。その中で新しい挑戦もしながら、これがベルだよっていうのを出せたと思うので、改めて原点に戻った作品になったと思います。あと、バンドとしての挑戦というところで、新曲4曲中、2曲を夢とあっきーが作詞と作曲を手掛けているんです。

──明弥さんにいたっては、ベルで作詞をしたのはこの作品が初めてですよね?
明弥:一応、昔から歌詞は書いてはいたんです。最近は特に、自分で書いた曲にこういう歌詞を付けたいなっていう具体的イメージができてきたからこそ、書けたというか。どちらかというと、歌詞というより曲に付けたい情景が見えたんですよ。

──明弥さんが作詞・作曲を手掛けた「カルマ」は、とてもロマンチックな歌詞になりましたね?
明弥:ハロくんにも伝えたんですけど、歌詞って自分の想いをバッと伝えるものと、ストーリーちっくなものに分かれると思っていて。この曲の歌詞は今までのベルにはないものだろうし、自分の中でもストレートというよりかは、こういう世界観もあるんだよっていうのを提示した感じですね。
ハロ:この曲は、頭の中でストーリーが進んでいって色々なイメージが沸いてくるような歌詞になっているなぁって。でも、曲自体は歌謡っぽいよね。
明弥:そうだね。歌詞は歌謡っぽくはないけれど、自分のイメージした世界観は作れたかなって思います。けど、自分で書いた歌詞を最初にメンバーに見せるときは恥ずかしかったですよ。
ハロ:グループLINEで歌詞が送られてきたんですけど、そうだったんだ(笑)。
正人:普段明るい彼の心の闇なんだなぁって思って読んでました。
明弥:いやいやいや(笑)。
夢人:君は二面性があるからね良い意味で。
ハロ:夢とあっきーは映画が好きなんですよ。だから、物語を書くのも得意なんだろうなって。
明弥:これも好きな映画からインスパイアを受けて書いていったところもあるので、その点で言うと、俺は絶対に心に闇はかかえてはいない!
ハロ:病んではいないと(笑)。
明弥:そう(笑)。
正人:この曲は歌詞が届く前にドラムを付けたんですけど、普段からそういうやり方でやっているのでいつもどおりでしたね。でも、今回、「夏風」は先に歌詞が来たんですよ。なので、歌詞を見てドラムを変えていきました。
夢人:ありがとうございます!
ハロ:「星の葬列」も歌詞が先だったよね。
正人:うん、そうだったね。これも歌詞のイメージに合わせてドラムを考えていきました。

──「夏風」は夢人さんの作詞・作曲になりますが、ずいぶんとポップな曲に仕上げてきましたね?
夢人:とにかく聴きやすい曲!を意識して書きました。
ハロ:「カルマ」とは全然違う曲ですよね。あと、僕だったらこういう言葉を使わないだろうなっていうのが「夏風」にはありました。例えば、〈スニーカー〉っていうワードは新しいなと。歌謡をコンセプトにしているだけに、これまで歌詞で横文字は極力使用してこなかったんですよ。でも、ベルの楽曲の中でこうして横文字をサラッと入れてくることで、逆に耳に残るかなって思うんですよね。
明弥:位置付け的にも、表題曲とカップリング曲って制作のときに意識するんですけど、シングルはこういうポップでストレートなものだったら、カップリングは「カルマ」を始め、また違った部分が見える曲を出したいなって。そこがベルの強みだと思います。

──そもそも、「夏風」はどういった発想の下、作曲に入ったのでしょう?
夢人:自分の培って来た音楽性を再構築して今できる最高の形にしてみようという事で練りに練ってこういう形になりました。人によってはベルらしくないと言われるかもしれませんが僕の中ではこれもベルなんじゃないかと。

──なるほど。本当にこの曲はシングル作のリードに相応しいと思います。
ハロ:この作品を6月にリリースして、7月8月と全国ツアーを廻るので、楽曲タイトルもそうだけど、これからの季節にぴったりなんじゃないかなと思います。あと、こうして新曲2曲を作曲者が作詞もしてしまうというのはバンドにとってすごく良いことだと思うんですよね。このバンドで自分のエッセンスを加えていったらもっと良いものができるという感情がなくなったら、バンドって進化しないと思うんです。だからこそ、こうやって新しいことにも挑戦できたと思うし。僕自身、最近は歌詞を書くのが楽しいんですよ。歌謡というコンセプトに重心を置いていた活動初期に比べて、今は楽曲の自由度が増している分、歌詞もそこに併せられるし、対バンやワンマン・ライヴを重ねることで僕のインプットも増えていっているので、ここ最近はアウトプットするという作業に行き詰まることはなくなりましたね。

──レコーディングもスムーズでしたか?
明弥:「夏風」は4つ打ちのリズムなので、今までの4つ打ち曲とは違うフレーズを入れていきたいなというのが最初にありましたね。ベースの音はデモの段階から入っていたのでイメージは何となく付いていたんですけど、1番自信のあるフレーズが作れたなと。ほんと、4つ打ちの曲はやれることが多いので、その中でイントロ、Aメロは休符を意識したり、サビは違うアプローチを入れたりしたので、ベルの明弥のベースっていう感じがちゃんと作れたと思ってます。
正人:ドラムは、最初はもうちょっと細かいことをやっていたんですよ。でも、歌詞を見てこれだと合わないなと思ったので作り替えていきました。さっきも言ったようにベルの曲は4つ打ちが多いので、ここでは違うことをしようと思って、サビでは右手は裏打ちの4つ打ちみたいな感じでやっていて、左手はハットを刻んでいるので、ライヴの見た目的にも今までの曲とは違った感じで聴こえるんじゃないかなと思います。
夢人:ギターの音作りなどその辺は全部従来基準で作っていきました。ベルサウンドです。

──本作は他に、「星の葬列」と「正直者は馬鹿を見る」という新曲が入ります。どちらも明弥さんの作曲とはいえ曲調がまるで違うので、聴いていると違った印象を残しますね?
正人:「星の葬列」は1番先に上がったんですけど、8分の5拍子と8分の6拍子で進んでいくので、ドラムの音を作るのが難しかったですね。
明弥:変拍子な上、細かいハネの部分がありますからね。これは、自分が思う戦争に対しての気持ちをサウンドにしてみたいなと思ったのが作曲のきっかけでした。なので、歌詞に関してもハロくんにけっこう注文して。
ハロ:争いをテーマにした曲がなかった分、作詞については今までで1番話し合ったかな。でも、最初からテーマが明確になっていただけに書きやすかったです。例えば、紛争が多い中東でも星が綺麗に見える地域ってたくさんあると思うんですよ。星って綺麗だけど、並んでいる様子が死を待っているようにも見えて。それでこのタイトルを付けたので、決して、戦争やめようぜっていうメッセージソングではないんですよね。
明弥:すぐになくなるほど争いって簡単なものではないけれど、なくなったらいいよねっていう感じはあります。もう1つの「正直者は馬鹿を見る」は、へんてこりんな曲を作りたいという気持ちがあって曲作りをしていったので、Aメロも2回出てくるけど、同じメロディでコードが違うっていう。あとは、いきなりCメロが出てくるとか、聴いている人を飽きさせない曲になっていると思います。他にも、ベースはスラップを多用しているし、ここまでリズム隊でバチバチ合わせる曲ってなかったので、ライヴでどうなるのかなって今は不安ではありますけど(笑)。
ハロ:ライヴでやるとしたら、最初はドラム・ソロからやって、途中でベースとギターが入ってきて、その後に僕が出てくるっていうのが良いかなって思うんだよね。
正人:それ、やりましょう(笑)。
夢人:必ずやりましょう。

──7月には「森羅万象」ツアー、8月には東名阪にて無料ワンマン、9月には4周年記念ワンマンツアーと予定も目白押しですから、新曲の披露が楽しみです。
ハロ:新曲は全部やると思います。「森羅万象」ツアーはレーベルルメイトと廻るからこそ負けたくないっていう気持ちはありますし、8月の無料ワンマンではベルのワンマン・ライヴってこういう感じなんだって観ている人にベルの空気に慣れてもらいたいですね。で、その後のワンマン・ツアーにも来てもらえたら嬉しいなって。
明弥:ワンマン・ツアーは、「ベルTHEヒットパレード」というタイトルに相応しく、全曲やろうと考えているので、ツアー全箇所来てもらえれば、ベルの全ての曲が聴けると思います。

Interview:ERI MIZUTANI