2019年6月25日火曜日

2019.7月号 SHiSHi


SHiSHi

  昨年8月30日より活動をスタート。バンギャやバンドマンの心情をシニカルに、ポップに描写した楽曲が話題を集めているSHiSHi。彼らが、1stシングル『かまちょ。』をリリースした。8月には東名阪でワンマンツアーも実施。「幕末の志士のように世の中を斬って連鎖反応を起こし勝利を掴む、そんなメンバー全員が主役となり得るアンチなヒーローをコンセプト」に活動をするSHiSHiの魅力を追いかけた。

――1stシングル『かまちょ。』を聴いて感じたのが、玲乃さんの歌詞は、バンギャさんへの気持ちへ寄り添う内容はもちろん。バンドマンがバンギャさんへ向けての想いを言葉にした内容も多いなということでした。
伊吹玲乃  気持ちへ寄り添うというよりも、一緒に楽しみたいなという気持ちが僕らの中には大前提としてありますからね。

――一緒に楽しみたいという言葉が、なんか親しみを持てていいですね。
伊吹玲乃  僕ら、ファンの子らと一緒に青春をしていたいんです。しかも、今回のシングルに掲げたテーマが「青春」。バンギャさんたちにとっての「青春」と言えばバンドマンへの想いだと僕は思います。もちろん、バンドマンにとっても「青春」の対象はバンギャさんたちになる。そこから、今回収録した曲たちの歌詞が生まれました。

――SHiSHiが誕生したのが昨年の8月30日。この記事を目にする頃で、ちょうど10ヶ月経とうとしています。ここまで、自分たちが想い描く通りにバンドは進んできています?
伊吹玲乃  自分らの頭の中には理想として思い浮かべている姿はありますけど、そこはまだぼんやりとしているのが現状です。
神門亮平  これまでにSHiSHiは、0thシングル『アンチヒーローズ』を通販で。、0thミニアルバム『病みうさぎ』を会場限定盤として発売してきました。「アンチヒーローズ」というテーマを掲げながら始まったSHiSHiですが、作品やライブ本数を重ねるごとにメンバーの持ち味が楽曲の中から際立つようになれば、バンドとしての個性も同じく際立ち始めてきた。そのうえで、初の全国流通盤となる1stシングルの『かまちょ。』を作りあげたとき、ようやく、ここからバンドとして花開いていけるなという手応えを覚えることが出来ました。まさに今は、そういう時期なんだと思う。

――SHiSHiは、最初に「アンチヒーローズ」というテーマを掲げて始まったんですね。
伊吹玲乃  SHiSHiは「アンチヒーローズ」をバンドとして進むうえでの軸にしながら、そこに基づいた曲たちを作っていこうというところからスタートしています。僕ら、結成一周年記念公演となる8月25日に渋谷REXで行うワンマン公演にも「アンチヒーローズ 序」と名付けたんですけど。それは、根本はそこにあるというのを示したいなと思ってのことでした。

――「アンチヒーローズ」という言葉へどんな想いを込めたのかも教えてください。
伊吹玲乃  「一人一人が主役」「一人一人が最強なんだ」という想い。正直、今も「最強」を探し続けているように、そこは、これからも求めてゆくものだと思います。

――それくらい、SHiSHiのメンバーは…。
伊吹玲乃  個性の強い人たちばかり。そのメンバーたちがケミストリーを起こしたら最強のバンドになれる。その確信のもと、今もそれを求めて活動を続けています。

――その最強と思えるメンバーのことが知りたいです。それぞれ、横に座っているメンバーのことを紹介していただけますか??
伊吹玲乃  じゃあ、僕から行きます。横にいるメアリーは、観ておわかりのようにバンドの中で一番派手で、しかも際物風のメンバー。現状発表しているSHiSHiの楽曲はすべてメアリーが手がけたように、バンドのメロディメイカーでもあります。見た目は際どいですが、普段はとても優しくて本当にいい奴。でも、楽曲制作に関しては本当に頑固。それだけ自分のプライドをしっかり持っていれば、たまに曲制作でぶつかりあうことが結果的にお互いを高めあっているように、自分にとっても良い糧となる人です。
ショウジ・ニ・メアリー  となりにいるやまと君は、バンドのスケジュールからやるべき事柄まで、細かいことをすべてまとめあげてくれるように、ベースプレイと同じようバンドの土台を支えてくれる人。バンド内の行動もすべてやまと君が引っ張ってくれるように、SHiSHiを動かしてゆくうえでの柱となる人。あと、みんなが感情的な意見交わしあうところを上手くまとめあげてゆくように、とても気づかいの上手い人です。そこは亮平君も同じのように、SHiSHiはリズム隊の2人がしっかり支えているところが大きいなと思う。
やまと  僕は、お花のことを、いつも"ちゃん"と呼んでるんですけど。彼は、バンドのマスコット的な存在。なんかねぇ、ちゃんがいるだけで楽しくなれる。それはメンバーだけじゃなくファンたちも同じで、お客さんらが最高の笑顔を浮かべているときって、ちゃんのことを観ているときが多いなと僕は感じています。まさに、SHiSHiにとってのムードメイカー。それと、各メンバーが外には出さないけど、じつは元気がないときなど、そういう心境の変化へ一番最初に気づくのが、ちゃん。ただし彼の場合、それに気づいても気づかいの苦手な人だから、その後の気づかいは亮平君がやっていることが多いけどね(笑)。まとめあげるなら、ちゃんはみんなの弟的な存在。あと、ライブ中の表情がとても豊かなように、そこも観て欲しいなと思います。
お花  亮平君さんは感覚の鋭い人。みんなが「楽しいじゃん」と浮かれているときも、「でも、これって冷静に考えると何々だよね」「このままで大丈夫?」など、つねに一歩下がって物事を見てくれる。そこは、やまと君さんも一緒なんですけど。うちのリズム隊は、つねに冷静な目で物事を判断してくれる。その中でも、亮平君さんはとくに鋭さを持ってるというか、みんなが見落としてしまうところも絶対に見落とさない。だって、フライヤーのたった一文字の間違いとか、他のメンバーが誰も気づかなかったのにすぐに気づく人だもんね。
神門亮平  一生残るものを間違ったまま出してしまうと、ずっと後悔してしまうから…。
お花  そこが、凄い。しかもメンバーやファンに対しての気づかいもつねにしているように、そこが亮平君さんの持ち味だと思います。
神門亮平  玲乃君がいなかったらSHiSHiは存在していなかったように、やまと君がバンドの柱だとしたら、その柱を支えるバンドにとって一番の土台となる人が玲乃君。「このバンドをこうしてきたい」と一番強く想いを持っているように、彼の意見や考えにだったら僕らもついていく気持ちのよう、本当に信頼のおける人。あと、つねに新しいことへ興味を持つように、そこで感じた物事をバンドに持ち込めば、それをメンバーらに投影しながらケミストリーを起こしていくように、とても感性豊かな人だと思います。

――そんな個性的なメンバーたちが、「青春」というテーマを掲げ、1stシングル『かまちょ。』を作り上げました。最初にも言ってましたけど、バンドマンやバンギャさんにとっての「青春」は、お互いを想う気持ちになるわけですよね。
伊吹玲乃 SHiSHiとして青春をするなら、やっぱしバンギャさんとしたいし、その逆も望んでくれているのかなと思うんです。だから、表題曲として持ってきた『かまちょ。』の歌詞も、バンギャさん側の気持ちになって青春している姿を書いたし、僕らにしてみれば、『ビッチ姫』に記したような想いをバンドマンはバンギャさんたちに対して持っているんだよということを提示したわけなんです。

――青春というテーマは、メンバー全員で…。
伊吹玲乃  共有したうえで作っています。
やまと  具体的な想いを書いているのは玲乃君だけど、その想いを、僕らはどう昇華して演奏に出してゆくかが大事というか。
神門亮平  僕なんか、玲乃君の書いた歌詞を通して、「あっ、バンギャさんってこういう気持ちなんだ」と解釈していましたからね。
伊吹玲乃  そこは、僕も想像の部分ですけど。でも、「こんな想いだったら楽しいだろうな」とか。それこそ、おばあちゃんになり、死ぬ間際に「昔、こういうバンドのライブに通いながら、こんな楽しい青春時代を過ごしてたなぁ」と思い返せる。そんな想いが甦るような気持ちを書きたいなと思って。ちなみに『ビッチ姫』には、バンドマン側のバンギャさんへの行き過ぎた愛を記しました。

――バンギャさんの心情を歌うバンドは他にもいろいろいるけど、バンドマン側のバンギャさんへの心情を歌にする人たちっていないから、そこが新鮮でした。
伊吹玲乃  僕ら、バンギャさんのことが好き過ぎるんで。でも、それって良いことじゃないですか。それに歌詞を書く以上は、「この歌いいね」だけで終わるのではなく、「なに、この歌?!」というひっかかりを作りたかった。『かまちょ。』にしたって、ただ「好き好き」だけじゃないところまで感じてもらえたら嬉しいなと思ってる。

――他のメンバーは、1stシングル『かまちょ。』について、どんな手応えを覚えています?
神門亮平  収録したどの曲もライブで披露し始めているんですけど。演奏していて楽しいのが『かまちょ。』と『バブみ。』。お客さんたちの中でもとくにリアクションが高かったのが『ビッチ姫』という印象です。ただ、ライブや公開したトレーラー映像のみでは、ファンの人たちも詳しい内容までは把握しきれてないのも正直なところ。音源を通して中身をしっかり把握したとき、よりはまってもらえそうな手応えも感じています。
お花  SHiSHiって、作品を出すごとにヴィジュアル面もガラッと変えています。「同じバンド?」と思えるくらい次々と変化していく様を、今回も楽しんで欲しいなと思ってる。
やまと  それは楽曲にも言えることで、音源とライブではアレンジもだいぶ変わります。ミニアルバム『病みうさぎ』に収録した曲たちなど、音源とライブではだいぶ変われば、『かまちょ。』に入れた曲たちも、ライブ時の玲乃君の感情次第で変化してゆくように、その違いも楽しんで欲しいなと思ってる。あと、SHiSHiの楽曲にはかならず「アンチヒーローズ」というテーマが隠されているように、それを発見してもらうのも音源を聞く楽しさだと思います。
ショウジ・ニ・メアリー  むしろ、最高傑作が生まれたからこれを次に越せるのか。そんな嬉しい不安をすでに覚えているからね。

――8月には東名阪を舞台にしたワンマンツアーも決定しています。
伊吹玲乃  今年からSHiSHiは東名阪を舞台に活動を続けていれば、いずれもっとその範囲を広げていきたいなと思ってる。そのためにも、まずは東名阪の3ヶ所をしっかり盛り上げていきたい。まして東京は一周年記念公演、気合いの入り方もより濃くなっていきそうな気がします。
やまと  今年の夏は、ぜひSHiSHiと一緒に青春して欲しいよね。そのうえで、共に成長していけたらなと思ってる。


Interview:TOMONORI NAGASAWA