2018年9月25日火曜日

2018.10月号 Develop One's Faculties



──ニュー・シングル「シャーデンフロイデ」がリリースされますが、シャーデンフロイデという言葉自体あまり聞きなれないものです。まずはyuyaさんがこの言葉に着目した理由から教えて下さい。
yuya:シャーデンフロイデの意味そのままなんですけど、俺はこの言葉自体そもそも知らなかったんですよね。まぁ、これを日本語で表わすとしたらメシウマって言葉になるんでしょうけど、俺はあんまりそういうことに興味がないというか。単純に何でなんだろうなって。けど、当たり前のように日々あることじゃないですか。だから、この言葉を知ったときにそういうことをテーマにした曲を書きたいなと思って。例えばそうだな、悲しいことと嬉しいことざっくりと2つに分けるとして、人って話していると嬉しいことよりも悲しいことの方が、それで?それで?ってなると思うんですよ。でもそれは何か悲しい話だなと思っていて。多分、曲名だけ聞くとそれを良いっていうような感じの歌詞を書くのかなって思う人も多かったと思うんですけど、全然逆で。何でそうなんだろうなっていう純粋な気持ちですね。いつもはデモを作るときって歌詞は無いんですけど、この曲は本当にシャーデンフロイデという言葉に興味が湧いて歌詞が上がってからメンバーに投げましたね。あとこれ、初めてリードとカップリングでしっかり意図がある上での繋げ方をしていて。

──「シャーデンフロイデ」と「光」でどのような繋げ方をしたのでしょう?
yuya:ギターと歌で始まってギターと歌で終わる、というのは2曲とも同じなんですけどそれは意図的に狙ってやっていて。あと、歌詞も繋がっているというか意味合い的には同じなんだけどこれ全部引っくり返すと1つになるんですよ。真っ直ぐ読むのはあくまで俺の理想、でも現実は逆だよって。なので、逆にバーッと読んでいくと1つに繋がるんですよ。

──シングルでそこまで緻密な計算をして臨んだのは、これが初めてではないですか?
yuya:初めてですね。多分それは気付く人はいないから、これを読んだ後にバーッと歌詞を読んだらなるほどってなると思うんです。何か、最近ぽんぽん言葉が出てくるので歌詞を書くのがすごく楽しいんですよ。きっと、書くということに対して興味が湧いてきたと思うんです。言いたいことが増えたというよりもシンプルに好きになったということが一番大きいんでしょうけど。
rui:こういう言葉を書くようになったんだなっていうのは傍から見ていても思います。それはきっと、人との関わりが増えたことにもよるだろうし、バンドを続けてきたからこそ出来る考えというのもあるだろうし。何か、ちゃんと良い意味で成長しているんだなっていうのが分かる歌詞にはなっていますよね、「シャーデンフロイデ」は。

──言葉の1つ1つから色々と読み取れますね。それにしても、この2曲の歌詞にそうした秘密が隠されていたとは知りませんでした。ただ、そこはあくまで歌詞に関することで、楽器陣がレコーディングをする際には、そこまで深く歌詞を読み解いてから取り掛かるということはしないような感じがしたのですが、実際にはどうでしたか?
rui:僕は歌詞を確認しているのでちゃんと読んではいます。そういうときに意味合いとか見たりして、なるほどなって思ったり。今回は割と早めに歌詞がきていたんですけど1回読んだだけでは理解出来なかったので3回ぐらい読んで。僕、漫画や小説も1回でちゃんと意味を把握してももしかしたらこういう取り方もあるだろうなって色々な角度から見るんです。なので、歌詞も違う視点から読むとなるほどなって思うことも多くて。だから、「シャーデンフロイデ」の歌詞も意味を聞いてからもう一度読み直しました。

──なるほど。また、この曲に関しては、思っていたよりも音数が少ないですよね?
yuya:楽曲的に今回は「シャーデンフロイデ」だけでなく、「光」もすごくシンプルなんですよね。別に狙ってそうしたわけではないんですけど、うちは多分良い意味で音数が多いというか。それが今回はものすごくシンプルにスッキリしている。それは、歌詞をCDで何て言っているかより聴いてほしくて。で、シンプルに組んでいきましたね。
──その上で、録りを振り返ってみていががでしょう?
Johannes:【翻訳済み】とりあえず、最初に曲名を聴いたときはどんなデザートなのかなって。
rui:どんなデザート!?
Johannes:【翻訳済み】何か、シャーベット的な。
detto:「シャーデンフロイデ」って聞いてデザートを感じたんだ(笑)。

──その発想が素敵ですね。
Johannes:【翻訳済み】最初のイメージだけですけど(笑)。その後すぐに言葉の意味を知ったのでなるほどって。録りのときは今までは結構、ドラムを組んでそこからここがこうって変えていくことが多かったんですけど、今回は割と1回組んでこれでOKっていう感じだったので自分の中では素直というか、すんなりと決まった感じですね。

──出来上がった後に音を追加することもなく?
Johannes:【翻訳済み】そうですね。メロディ意識して一緒に歌っているぐらいな感じでドラムを組みましたね。
yuya:おかげですごく良くなった。

──dettoさんも曲を聴いた当初、何か自分の中で具体的なイメージはありましたか?
detto:最初、曲のタイトルを聞いてガンダムの名前かなって。何か、いそうじゃないですか。
rui:いそう(笑)。
detto:まぁ、これはあくまで最初のイメージですけど(笑)。ただ、初めて目にする文字の並びだったので、まずは何語?って思いましたね。でも、ベースのフレーズは今までと特に変わったことはやっていないんですよ。だからほんと、送られてきたデモのベースに対して俺がちょっとこういう風に弾きたいなって味付けをしたような感じで。あと、レコーディング中にも話に出たんですけど、Aメロのベースのフレーズとかも過去に出している曲の俺の手癖というか、割と弾きがちなフレーズがそのままきているんですよ。

──らしさが出ていますね。
detto:ベースのフレーズに関しては元々俺っぽいものがくるから、それを無理に崩すか、崩さないかの選択肢なんですよ。今回この曲に関しては、元をそんなに変えずにオカズ部分をちょっと変えたりっていうぐらいだったのでサクッと録り終わりましたね。歌詞に関してはピンチはチャンスだっていうことを書いているような曲なんだろうなっていう気持ちと、サビのコード感の明るい感じと、でも純粋に明るい感じではないのがDOFらしさとしてあるのかなって。あとは、薄青い感じのイメージ。

──薄青いという感じは何だか分かります。では、色味に関して今までの曲と近いものを上げるとするなら何でしょう?
detto:何だろうな。でも、これを録るちょっと前に割りと長めのミーティングをやったときに、「感情トリートメント」っていう曲ぽいものをそろそろやりたいなっていうのを言ったら、今まさに作っているものがそんな感じだよって。爽やかさとか聴きやすさっていうのは「感情トリートメント」に近いんじゃないかなっていう。
yuya:楽曲自体はそんなに明るい感じには見えないし、歌詞の感じだったり曲名だったりを見てもどうなんだろうって思うだろうけど、結局はすごくハッピーになれるというか。メジャーコードを使ったり綺麗な歌詞を書いて露骨に明るいものにしているわけではないけれど、最終的にはこうあってほしいっていうハッピーエンドな部分はどこかに必ず秘めているというか。
detto:で、ダークな部分というと、喋っているパートがあるじゃないですか。あそこはDOFの闇というか。
yuya:あれがシャーデンフロイデだよね。
detto:曲の途中に噂話みたいな掛け合いが入っているんですけど、そこがあることによってサッパリとした感じにはいかないんだなって思います。

──そういったギミックがあることによって、よりDOFらしさが出ましたよね。
detto:そういう一筋縄ではいかない部分というのは、今後も入れていきたい部分ではありますよね。

──では、ruiさんはレコーディングで演奏する際、ライヴの絵というのは見えていたのでしょうか?
rui:ライヴの絵は割とすぐに予想は付くんですけど、「シャーデンフロイデ」はデモをもらってメロ優先だと思ったんですよね。それと、歌詞の雰囲気とイントロがちょっと違うなと思ったのでデモに入っていた音を丸ごと変えていきました。逆にそれ以外は他がしっかりしてくれていたら音を詰め込む必要もないと思っているので、年々ギターを弾かなくてもいいかなって(笑)。ほんと、味付けとして耳触りじゃないものであればいいやって思ってきたところはあります。元々、ギターってそういうものなのかなって。だから、上乗せしたときにその楽曲を綺麗に構成できるものであったり、楽曲の色が出るようなものだったりがギターの役割だろうと思っているので、年々そういう考えになってきているんですよ。

──だからこそ、こうした気持ちの良い楽曲が出来上がるというわけですね。そして、もう片方の「光」は優しい感情が溢れていますね?
yuya:「光」の歌詞も今までこういうテイストで書いてこなかったなって。あからさまにハッピーなものを書こうとしないんですけど、数曲はあって。その中の1つに入ったなって思います。

──歌詞ではどのようなことを伝えようと?
yuya:「シャーデンフロイデ」っていう現状に賛同してくれる人に対して、俺がその人の光になれたらなぁって。まぁ、そんなこと言う柄じゃないので、今ちょっと言っていて恥ずかしいんですけど(笑)。でも、俺たちのステージでそれがよりまばゆい光となってくれたら。そして最終的にその光がバーッ広がって闇ではなく綺麗な花みたいになって咲いてくれたら嬉しいなって。そこで1人でも多くの人が救われたら嬉しいなって。音楽ってそういう力を持っているものだと俺は思っているので。

──演奏の際、楽器陣に対しては何かアドバイスは?
yuya:何も言わなくてもキャッチしてくれるんですよね。だから、いちいちそんなことは言わないんです。言わなくてもちゃんとキャッチしてくれるのがバンドだと思っているから。
rui:DOFの活動が2年目だったとしたら、「光」をやるのはちょっと待とうって言っていたと思うんですよ。時期的に早いというより違うなって。でも、今この楽曲がくるとたまらないなって。今やるべきものだっていうのをすごく感じたので、この音数だったりこの言葉で表現したいっていうのを見たときに、すごく良い曲を持ってきたなと思いましたね。
yuya:「光」は「シャーデンフロイデ」と違って言葉の数が少ないんです。あと、歌詞の改行にもちゃんと意味があって。言葉数は少ないかもしれないけどそれだけ情報量を多くキャッチしてくれっていう。
detto:「シャーデンフロイデ」に比べたら、「光」はベースのフレーズを変えたなって。曲の文字数が少なくて音数も1個1個がハッキリしている分、ベースも基本、聴き取られにくい楽器ではあるけれど聴こえてくる音がより、登場人物よりであると俺は解釈していたので抑揚があるんですよ。ベースって抑揚に関して1番うまくやれる楽器という印象を持っているので、イントロのフレーズから変えさせてもらったんですよね。最初はもっとうねっている感じのベースのフレーズが入ってきていたんですけど、そこはどっしりと、ここはモブキャラでいいというテンションで弾いていて。後半同じセクションがくるところでは元々デモに入っていたうねっている感じのベースのフレーズを入れていきました。その両方で差別化を図ることによって物語が展開していくという感じが出せたらなと。あと、2Aの部分ではベースが一切入っていなくて歌とパーカッションだけなんですよ。そこもベースが入っていてもおかしくない場所だから何となくこう弾いてみたけどって言ったんですよね。結局、1発だけブイーンって終わるっていう。
yuya:あの部分はすごく良かったね。そういうのがあるからレコーディングをしているとワクワクするんですよ。
detto:俺はレコーディングはキッズの心を思い出せる場所。メンバー全員で1番良いものを作ろうという目的が一緒だからこそ、より純粋な気持ちになれるんですよね。あと、俺の中での抑揚というのは空気を読むこと。そういうテンション感で俺は物事を考えているので、そういう意味での空気の読み方をしたベースを弾いてみたという感じです。
Johannes:【翻訳済み】そういえば、元々この曲ってCメロ的なところがあったんですよ。
yuya:あぁ、そうだね!
Johannes:【翻訳済み】あったんですけど、まるっとなくなって。Cメロ1番悩んだのに。
yuya:理由は、単純に微妙だった(笑)。
Johannes:【翻訳済み】そこがまるっとなくなって、2Aが終わって音が途切れてフェードインしてくるアレンジを聴いたときはハッとしましたね。
rui:どっちの意味でハッとしたの(笑)。
Johannes:【翻訳済み】もちろん、良い意味で(笑)。この曲も「シャーデンフロイデ」と同じでストレートな感じではあるんですけどAメロで自分のひねくれている感じが出ているのかなとは思いますね、リズム的なところで。
rui:結果、良いのが出来て良かったよね。

──となると、2曲とも初披露はこれから始まるツアーでということになりますか?
rui:そういうのは分からないですよ。俺ら、気分次第でやっているので。
yuya:そうそう。ちゃんと仕上げてからじゃないと絶対にやらないし、逆に仕上がったなと思ったらリリース前にやってしまうかもしれないし。

──ツアーは12月まで続きます。その後の展開というのも考えていますか?
rui:とりあえずファイナルが終わると活動5年目に突入するんです。来年に向けて何をしようって考えたとき、1番飛躍してほしい年が5年目だと思うんですよ。なので、そこは視野に入れようかなと思っています。今までの活動よりも大きくなったじゃないかDOF、って思ってもらえるような感じにはなっていたいですね。

Interview:ERI MIZUTANI

2018.10月号 Soan project



──新作がリリースされますが、作品タイトルを付けたのは手鞠さんだそうですね?
手鞠:はい。これまでのリリースを含め全部で6タイトルですから、そう思うと本当に多いですよね(笑)。

──「共奏」と「狂想」だけで言うならば、同じ読み方でも異なる意味を持ってくるなど言葉遊びをふんだんに盛り込んでくるところが面白いです。
手鞠:言葉遊びとしての当て字や造語ではあるんですけど、その辺は自由に操っていいんじゃないかなという部分があって。何か、知っている言葉だけだとそこだけで終わってしまうのもなぁって。全く新しい言葉を作ってしまってそこからこれってどういう意味なんだろうっていう風に考えてもらってもいいと思うので、柔軟性に富むというか言葉に縛られるのはやめようと思ったんです。Soanプロジェクトwith手鞠に関して言えばすごく自由にやらせてもらっているので自分なりの自由というのを解釈した上でのタイトルというところはありますね。ただ、それでも一定のロジックというのはあって。これまでの作品で静と動というのを分けて対比的に言葉を選んできたりするので、やっぱりロジックがあって完成に行き着いているという感じはありますね。ヴィジュアル系って何でもやっていいってとらわれがちだけど、一定の美学やロジックがあることによって自分が理想としているヴィジュアル系が描けるというか。自分たちが信じるヴィジュアル系の極端な部分というのがSoanプロジェクトwith手鞠では出せていると思っています。

──ブレることなくここまできましたからね。
手鞠:そうですね。芯がしっかりとしているというよりかは我が強いのかもしれないけど(笑)、人の良し悪しに左右されずに出来た感じはあります。だからこそ、Soanさんがプロジェクトを立ち上げて一緒にアイデアを出し合っていく中で、これは完全にSoanさんの言っていることについていけば楽しめるって思ったんです。それはSoanさんが僕の良い部分を理解してくれているというのもあるし、ここが自分に与えられているフィールドなんだろうなって感じたので安心して好きに楽しむことが出来ました。

──それはSoanさんの懐の大きさもあるのではないですか?
Soan:そうなんですかね。俺からすると逆でもあるんですよ。というのも、手鞠くんでないとこの静の世界観というのは100%実現は出来なかった。それはプロジェクトを立ち上げた当初から感じてはいたんですけど、改めて手鞠くんがいなかったら出来なかった音遊びではあるなと実感していますね。
手鞠:3部作を通して改めて言えるのは、Soanプロジェクトの生を担うのであればやっぱり僕しかいなかったんだろうなって。もちろん、僕なんかより遥かに歌のうまい人はたくさんいるし、Soanさんの人脈の中で歌える人というのは多くいるだろうけど、単純に技術だけではこのプロジェクトはできないんじゃないかと。そう思うと、芥くんのように歌に想いや温度を乗せられる歌心のある人というのは今のシーンにおいて希有だと思うんです。でも、芥くんにはSoanプロジェクトwith手鞠はできない。ヴォーカリストとしてというなら意味合いが変わってくるんですけど、Soanプロジェクトwith手鞠は僕の人生観が出ているものなので、このシーンの中でも僕にしか出来ないものなんじゃないかなって思うんです。だからこそ当然、芥君の優しさと強さが込められたwith芥を僕では担えない。なるべくして僕ら二人はそれぞれを担っている。いや、Soanさんがそれぞれの持ち味を見抜いて適材適所に采配してくれてるわけです。

──本作も手鞠さんにしか出せない色がたくさん出ていますからね。また、そうした手鞠さんの魅力を引き出したSoanさんの力も大きいですよ。
Soan:それはもう、手鞠くんを始め、タイゾ、祐弥、Sachi、ライブでは健希というメンバーに恵まれたからだと思います。このメンバーじゃなきゃできないということが出来たので、何て贅沢なことが出来たんだと思います。

──1曲目の「落下の挙動、加速、暗転、反射 そして調和する僕と君と。」は手鞠さんから見てどのような曲といえましょう?
手鞠:収録曲の中では割と最近出来た曲なんです。このタイミングで出せる曲だからこういうことやってみようという部分において、サビにSoanプロジェクトwith手鞠のメンバーが在籍している、或いは在籍していたバンドのイメージを全てを入れているんです。そういうところに気付いてもらうのも良いんじゃないかなと。優しさと厳しさの調和と、メンバー全員への敬意やリスペクトというのがすごく込められていると思います。Aメロとか聴き手に投げかけてはいるけれど、レスポンスを聞くつもりはないというか。

──あくまで答えは聞いていないと。
手鞠:会話するつもりはないという点では、エゴイスティックなんですよね(笑)。でも、そういう部分においては芥くんの歌詞とはまた違った感じになっていると思うんです。それは環境の中で養われてきた部分があるのかなと。そういった表情付けというのがこの曲では出ていると思います。

──「春色の音色、記憶回廊」は、お二人から見ていかがですか?
Soan:この曲を初披露したのはロリータの格好をしてライヴをした時でしたね。
手鞠:まさかそこで新曲を披露するとは(笑)。
Soan:確かに、ギャップはあったよね(笑)。
手鞠:春をテーマに描いた曲ということもあって、本作の中では最も柔らかい曲になっていると思います。ピアノの繊細な感じや奥ゆかしさに乗って、まるで短編映画を観ているかのような表情豊かなものになりました。
Soan:元々、手鞠くんに春というテーマを伝えているのと同時に卒業もテーマとしていたので、学校の卒業式で歌ってもらいたいという気持ちはあります。それを考えてハモリのメロディラインを作っていったんですよね。ここでは祐弥が手鞠くんに合わせて良い声で歌ってくれたんですけど、俺の中では体育館のような広いところで生徒たちがパートに分かれて歌っているというイメージはありました。なので、やってくれないかなぁって。

──実現したら素敵ですよね。続いては「黄昏色に融解する視界と屈折した類推(アナロジー)」です。
手鞠:イメージでいうと、まるで重油のバスタブの中に浸かっているような。そうした心や空間の重々しさ、不条理とやるせなさみたいな心象を夕日の情景に重ねていたんですけど、そんな状況な中でも救いを見い出そうとするところを描ければいいなと思っていたので、一定の悟りであったり諦めであったりを滲ませているので、その点を考えると負の感情ではありますよね。他の曲に関してもそうですけど、僕が描く歌詞で気を付けているのは人間の感情とそれを取り巻く環境や情景を描く部分のバランスなんです。シチュエーションを細やかに描写することで物語の説得力であったり裏付けをするというのを心掛けています。その感じがこの曲ではわかりやすいんじゃないですかね。
Soan:手鞠君が凄く良い形で情景や時というものを描いてくれるおかげで、より明確に楽曲の順番や自身の想いがリンクします。その上で、この曲を3曲目に置いた理由としてドラムが入っていないというのが挙げられるんです。あとは、タイトルも大きく関わっていますね。1曲目がモーニングだとするならば2曲目は春の温かい感じで昼間を表わしていて、3曲目では黄昏色ということもあり夕方なんです。このあと、曲はミッドナイトへ入っていくんですけど、時系列でこの曲を3曲目に持ってきたというのもポイントではあります。あと、この曲では祐弥がニ胡を演奏しているんです。ヴィジュアルシーンで二胡を弾いているアーティストっていないと思うんですよね。

──確かに、二胡が合う楽曲というのはヴィジュアルシーンで見たことはありません。随分と画期的な挑戦ですね?
Soan:祐弥がスタジオに二胡を持ってきたのをきっかけにこの曲は生まれたようなものなんですよ。多分、バイオリンのさっちゃんに見せるために持ってきていたと思うんですけど、良い偶然ではありましたね。

──それがプロジェクトの面白さではありませんか?
Soan:そうなんですよ。バンドってどちらかというと、何でこういうことがやれないかという考えに行きがちなんですけど、このプロジェクトは面白いことがあるならどんどん取り込んでいこうという主義なので。今もライヴで二胡はガンガン弾いているんですけど、他の音と合わせて良い具合になっていますよ。おかげで、俺としてもすごく心地の良い空間が出来上がっています。

──そしてここから先、曲が描く時間は深まっていくのですね。
Soan:はい。夜から深夜へと移り変わります。

──まず「醜悪なる獣穿つ矢、致死を以て野卑を屠る」からお話を聞かせて下さい。
Soan:はい。先程、曲順を時系列として挙げましたけど、手鞠くんにこの曲で夜の深さを表わしてほしいとは言っていなかったんです。曲の置き方が最終的にそうだっただけで。
手鞠:この曲に関しては初めからSoanさんに手鞠くんの本質的な部分を出してほしいと言われていたんです。その時点でSoanプロジェクトの青写真というか、それぞれがそれぞれの表現を作り出していって最終的にそれらが交わっていくビジョンというのがSoanさんの中にあったので、それを目指していくための曲だったと思うんですよ。Soanプロジェクトwith手鞠、Soanプロジェクトwith芥という両極端なものをやりつつも、その2つが様々な経緯の先でまた重なり合うという部分での必要な曲としてSoanさんが書いたと思うので、その中で1番攻撃的というか、核となるものを描きたくて。リスナーとの距離感というのをアーティストとして取りたいというのが僕の中にあって。一定の距離感を持ってこそ両者は成り立っていると思っているので、アーティストはリスナーと友達ではなくあくまで高嶺の花のような存在であるべきだと思うんです。だからこそ手と手が触れないよう、こちらの温度が伝わらないようなイメージで描いていった曲ではありますね。同時に、アーティストとしてこうありたいという僕の理想が出ていると思います。哲学といったらおこがましいかもしれないけれど、そこをうまく描けたらいいなぁと。聴き手によっては突き放されているような感覚に陥るかもしれないけど、Soanプロジェクトを好きでいてくれるお客さんにはこのメッセージは伝わると思っています。

──この曲はMVにもなっていますね?
手鞠:この曲を発信することに意味がある、そうした想いからMVを撮ったんです。これこそ、Soanプロジェクトwith手鞠でなければ出来なかったことだと思います。

──次の「吐情、舌上、熱帯夜」に関してはいかがですか?
手鞠:今回、全体を通してすごく手応えがあるんですけど、楽曲としてはこれが1番好きかもというぐらいに気に入っています。これは確か、収録曲の中で1番最後に出来た曲ですよね?
Soan:そう、1番最後だね。
手鞠:最初に聴いたとき、すごくお洒落で、バンドとしてのグルーヴ感もめちゃくちゃ活きているし、アレンジに関してもすごく遊べる曲だなと思ったんです。その分、歌詞を書く上では悩みましたね。新しいことを試したい、今まで自分がやってこなかったことを楽しみたいと思うからこそ、すごく細部にこだわったというか。歌詞の描き方には自分のルールやロジックがあるんですけど、そこに更に韻を踏みつつ、歌う中でリズムに言葉が乗ってくる分、言語を圧縮しなくちゃいけないんですよね。そのときに発音や言葉尻がどういう風に聴こえるか。例えば、単語を選ぶにしても発音によってカ行だったりタ行だったり聴こえ方が違うじゃないですか。カ行だとこのリズムに乗ったときに言葉が尖りすぎるからカ行の言葉は使えない。そうなると、サ行の方がこのリズムに乗ったときに綺麗に聴こえるからサ行で同じ意味の表現を探さなきゃいけないっていう作業をやっていったので、言葉のパズルが大変でした。でも、日本語の良いところだと思うんですけど、意味が同じであれば言葉を置き換えられるじゃないですか。だから、いくつも言葉の候補を出して歌いながら1番発音したときにリズムにマッチする言葉というのを選んでいったんです。それをこだわっただけあって、レコーディングで歌ったときにすごく心地いいというか。そこは自分の中で新しい挑戦が形になったなとい思います。

──手鞠さんのレコーディングにはSoanさんも立ち会ったのですか?
Soan:もちろん、手鞠くんのレコーディングにも立ち会いましたね。でも、この言葉遊びが出来るのは手鞠くんならではだなと思います。こっちが提示した以上のものが返ってきたなと歌詞を読んで思いましたから。

──作品のラストは「紫陽花がまた咲く頃に」となっています。「吐情、舌上、熱帯夜」からとても良い流れを見せていますよね?
Soan:そうですね。官能的でもあり情熱的でもある深夜帯からの夜明けというところでは、曲が繋がっていると思います。でも、「吐情、舌上、熱帯夜」で作品が終わりといえば終わりなんですよね、俺の中では。それだけに「紫陽花がまた咲く頃に」はまた別物というか、超特別枠という感じではあります。「吐情、舌上、熱帯夜」で終わることに意味があるというか。ただ、「吐情、舌上、熱帯夜」から「紫陽花がまた咲く頃に」へ繋がるといえばそうなので、3作品目にしてまた面白いチャレンジが出来たので良かったなと思います。

──作品は完結になりますが、この後もライヴの予定が目白押しとなっているんですよね?
Soan:そうですね。やっぱり、生で演奏してなんぼというところはあるので、今回のツアーではそのときその場に合ったものを見せたいとは思っています。でも、まずは9月30日のワンマンを楽しみにしておいてもらえたらなと。始動記念日以外では共演することのなかった2つのプロジェクトが観られる日なので、ここは是非楽しみにしておいてほしいです。

Interview:ERI MIZUTANI

2018.10月号 DIAURA


──リード曲の「MALICE」はイントロを始め、パーツごとにハッキリとした曲になっています。作曲を手掛けた佳衣さんとしては、どういったところに狙いを置いて作っていったのでしょう?
佳衣:かっこよさはもちろん頭に置いてはいたんですけど、良い曲とかの定義ってなかなか難しいじゃないですか。ただ良いと思われるものではなく、何かしらのインパクトだったりかっこよさだったりを与えたかったので、そういう意味では今までよりも自分の中でハードな部分というのは出しましたね。

──そこにはディオーラとしての活動も反映されていますか?
佳衣:いや、あれはまた別ですね。自分の中では完全に区別していたものなので、それを本家のDIAURAに活かそうという感じにはあまり考えてはいなかったです。

──なるほど。それにしてもDIAURAの楽曲はマンネリ知らずといいますか。
佳衣:パッと聴いて直感でかっこいいと思える曲になっていると思うんです、今回って。なので、狙いが分かりやすくなっているんじゃないかなと思いますね。

──となると、この曲を受け取ったyo-kaさんも直感的に歌詞は書いていきましたか?
yo-ka:佳衣とも話していたんですけどハードさというのは必要だというところで曲を聴いたんですけど、佳衣の作る曲ってただただハードというだけではなく絵が見える曲というのが特徴だと思うんです。今回もそういう絵が見えてミュージックビデオもそうなんですけどそういったところでまず情景が見えて、それに自分の感情をプラスして言葉にしていったという感じですね。

──言葉が乗ったことで、ハードととはいえ曲の持つ世界観が一気に美しくなりましたね。
yo-ka:歌詞は哀愁がありますよね。でも、それは曲が成せるわざというか、そこが佳衣の曲であり、DIAURAの曲の特徴ではありますね。それが作品ごとに明確に出せているというところもあるので、作品作っていてもマンネリ化していないと感じるんです。あと、最近これまでの曲って俺がメロディを担当していたんですけど、今回の作品に収録されている「レゾナンス」から佳衣にメロディを付けてもらうようになったんです。その上で、俺がここはこうしようって意見を重ねていったのでメロディも合作みたいなところはあります。その点でも、曲を作っていてすごく面白いんですよね。「MALICE」は佳衣のメロディがほぼ残っているんじゃないかな。

──良い変化を見せていますね。
yo-ka:そこはとても大きい要因だと思います。

──だからこそ、マンネリ化していないというところにつながりますね。では、達也さんから見て「MALICE」はいかがでしょう?
達也:最初にデモを聴いたときは疾走感のある曲だなと思ったんですけど、レコーディングで演奏したときに意外とBPM的には遅いと感じたんですよね。なので、数字に表わせない疾走感がある曲だなと思いましたし、あとはオシャレですよねフレーズとか。ドラムにしろ他の楽器にしろオシャレな部分があって、そこが新しいDIAURAだなと面白さを感じました。もちろん、今までにもオシャレな曲ってあったと思うんですけど、この曲ではクラシックギターが入っているのでそこはすごくオシャレだなと。

──クラシックギターの音色はエキゾチックな雰囲気を出していますよね。
佳衣:そうですね。クラシックギターもそうですけど、そこにプラス、リズムでもそういったオシャレな雰囲気を出したかったので、そこはドラムのフレーズにもあると思います。
達也:ライヴだとどういう景色が見られるのかなと気になるところではありますね。

──翔也さんはどのようなことを意識してこの曲のレコーディングに臨みましたか?
翔也:意識というか、毎回佳衣が作るシングルのリード曲は後頭部をぶん殴られる感覚になるんですよね。それだけ予想もしていないところからくるので、そこがやっていてすげぇ面白いなと思うのと、同時にレコーディングを迎えるにあたって作曲者を満足させるフレーズを付けないといけないとは思うので、毎回試されている感じにはなりますね。

──こちらとしても後頭部を殴ってやろう、というぐらいの勢いで取り掛かるんですか?
翔也:いや、そこは後頭部じゃなくていいです(笑)。むしろ、正面からこれでどうですか、という感じでやれたらいいなとは思いますね。

──曲を聴いていると、プレイヤーとして1人1人が新境地に入った感じがしました。
翔也:そこは、アー写を見てもらっても分かるとおりっていう感じではありますね。そういった部分も含めてDIAURAって面白いですよね。
yo-ka:ヴィジュアル面に関しては、それぞれが狙ったわけではないんですよ。お互いにこうしようという擦り合わせはしていないにせよ各々のキャラクターがしっかりと出ているので、この先もそういったスタンスでいくんだろうなとは思います。でも、激しい曲というのは過去にも作ってきたりするし、ライヴでも観客をただ暴れさせればいいという思いでは作ってきていないので、作品とライヴの両方をもって、その先にある景色が見たいんですよね。だからこそ、「MALICE」っていう曲のバランスは今のDIAURAにとって非常にバランスが良くて。それだけに挑戦すべきと思ったし、これからのライヴでも4人が試されるところだとは感じています。俺自身、明確に見たい景色があるのでそこにどう向かっていくかですね。

──カップリングの「レゾナンス」は、既にライヴでも披露されている曲ですが、改めてどのような曲だと捉えていますか?
yo-ka:この間の『愚民の日』のときに初めてのパターンを用いたんですよ、アカペラで曲に入るという。何かそれがすごく良かったんですよね。歌モノに区分される曲なので、歌う側の状態、そして聴く側の状態、それらが少しでも違えば響き方が変わってくると思うので、そういった部分では時を重ねていくにつれ熟成されていく曲なんだろうなと思うんです。
達也:最初から自分たちの思いが愚民たちに届いてほしいなという気持ちで演奏していたので、この間の『愚民の日』で演奏したときも自然と胸が熱くなるような曲だなというのは感じていたので、そこは曲が出来た当初から変わらない点ではありますね。けど、何回かライヴで披露していくうちに自分に酔える曲だなというのに気が付いて(笑)。曲によっては愚民たちの表情を見ながらライヴを楽しむ曲も多いんですけど、「レゾナンス」はドラムを叩いていて気持ち良いなと思ったり、みんなの歌や楽器を聴きながら演奏する喜びを感じられたりする曲だなというのはあります。

──そう思うと、ドラムって良いポジションにいますよね。
yo-ka:でも、定位置から動けませんからね。ずっと座ってるんですよ。
達也:まぁね。でも、それがまた良いんです(笑)。

──翔也さんはこの曲をライヴでやって何か印象は変わってきましたか?
翔也:今年の春ツアーぐらいからやっていた曲なんですけど、当初は割とストレートな曲だなと思っていて、構成とかも。で、あんまり同期に頼ることもなくバンドサウンドだなと思ってやり始めたんですけど、ライヴのノリ方なんて好きなようにやってくれとも思っていたんですよね。で、やっていく中でイントロで「oi!oi!」ってお客さんに声を出してもらおうかなって考えたりもしたんですけど、でもそれだとちょっと違うかなと思いながら演奏していたので最初はどこか自分でもビビッてお客さんの顔を見ていなかったんですよね。でも、ある日お客さんの顔を見たら曲がちゃんと届いているなって思ったんです。そこからスッキリした感はありましたね。これはこれでいいんだって。こちら側が自信を持って演奏していれば何かしらは届くと思えた曲でしたね。

──そう聞くと、佳衣さんはまたしても良い曲を作り上げましたね。
佳衣:それこそ、この曲ってバラードでもなければ上がっている曲でもなくて。演奏している側からしても難しいポジションの曲ではあるんです。それだけに、ライヴでやっていても最初は曲に対する固定概念があったんですよね。例えば、リズムがハーフテンポになったらこうしなきゃいけないとか。それがお客さんのノリにも見受けられて。それを見ていて自分としても考えたんですけど、純粋に聴ける曲として素材そのものを受け入れられるようにする方がいいんだろうなと思って、その辺から自分たちも演奏している気持ちが変わりましたね。逆に、自分がライヴを観に行って「レゾナンス」みたいな曲をやっていたら、純粋に聴きたいなと思いますし、ちゃんと耳で聴いて自分に受け入れたいなと考えたとき、そういった気持ちで曲を届けないといけないなって。そうやって思えたからこそ演奏する意識が途中で変わってきましたね。

──感情の持ち方によって曲の表現方法も変わってくるのですね。
yo-ka:それが1つのバンドの成長なのかなと。バンドがあって個人があって、というところだと思います。

──今後、益々飛躍しそうな曲ですよね。そして、カップリングもう片方の「Human Noise」はyo-kaさんの作詞・作曲となります。
yo-ka:まずカップリングを作ろうと思って、最初は違う「Human Noise」を作っていたんですよ。その曲はどんよりとしていて重たい感じだったんですけど、リード曲の「MALICE」が出来て「レゾナンス」と並べて聴いてみたときに、何かバランスに納得がいかなくて。これは違うなと思って、そこから違う曲を2つ作ったんです。結果的に今の「Human Noise」を収録することになったんですけど、「MALICE」と「レゾナンス」は内容的にあきらめであったり切望であったり希望であったり、そういったところをすごく繊細に描いている曲なんです。でも、「Human Noise」はそういうものを全部ぐちゃぐちゃにしちゃったものが良くて。自暴自棄というか開き直りというか、そういう感情で作品を締めるのも良いなと思ったので訳の分からないことをずっと書いていきましたね。ただ、「MALICE」と「レゾナンス」の2曲があってこその「Human Noise」ではあると思っています。

──二転三転したものの、良い方向に転がりましたね。
yo-ka:そうですね。あと実は、この曲の原曲って18才のときに作っていたんです(笑)。

──えっ、そうだったのですか。
yo-ka:はい。ただ、当時やっていたバンドの曲を俺は無くしてしまって持っていなくて。でも、それを知ったメンバーがデータを送ってきてくれたんです。懐かしいなと思いながら曲を聴いていたときにこの曲があって。それで、この曲はもっといじれるなと思って、今回の形まで行き着いたんです。曲の展開やコードは当時のものと一緒なんですけど、メロディは細かく変えていって。それと、描く世界観も当時とはまるで違っています。なので、時を経てこうして生まれ変わったというのは面白い成り立ちだなとは思いますね。

──そういった経緯があったとは。
yo-ka:そうなんですよ。でも、「MALICE」の最後に《飛び立てばほら生まれ変わる》という一文があるんですけど、こうして生まれ変わった曲もあるし、色々とつながりはあるなと思います。
達也:「Human Noise」は初めて聴いたときから面白いなと思ったんですよ。俺、Aメロがめっちゃ好きなんですよ。あんまりDIAURAにない雰囲気が溶け込んできたなと思って。けど、全部を通すと、よーちゃん(yo-ka)らしい曲に仕上がっているなと感じられるので、またライヴに強い曲になったなと思います。
翔也:スタジオで1回合わせたときはベース・フレーズは固めていなかったんですけど、ファンシーにしてくれって言われたんですよ。
yo-ka:ファンシーじゃない、ファニーね。
翔也:ファニーか(笑)。でも、ファニーって何だと思って練っていったんですよね。ファニーというとどうしてもハイポジションというか、ベースベースしていなくていいのかなと思ったのでちょっと跳ねるような感じで弾いていきました。
yo-ka:俺、佳衣とは違って抽象的に言ってしまうんですよね(笑)。きっとこのとき俺の頭の中にあったのは、ファニーとはいっても可愛らしい感じではなく、ブラック・ファニーという発想だったと思います。
翔也:勉強になりました。

──yo-kaさんから佳衣さんにこの曲では何かオーダーはしましたか?
yo-ka:何も言ってはいないよね?
佳衣:うん、言われてない。
yo-ka:ちょっとアレンジをしてもらったぐらいかな。なので、当初の構成からちょっとだけ入れ替わったぐらいですね。
佳衣:色々と出来る曲だなとは思いましたね。最初に聴いたときから自由度の高い曲だなとは感じていたんです。アレンジもそうですけど、フレーズも練っていくうちに、いざリズムが出来て上がったものを聴いたら各自自由度の高いものになっていたので、これはちょっと難しくなったなと逆に思いましたね(笑)。きっと、ここで自分も自由にいったら収拾がつかなくなると思ったので、うまいこと音の間をぬって演奏していくのが割と大変ではあったんですけど、こうして各自が自由にしている曲って今まで多くはなかったと思うので、そういった意味でも面白いものになるんじゃないかなと思います。

──今後の見せ方に要注目ですね。ライヴの予定としては年内までギッシリと入っていますが、気になるのは本作発売後から始まるワンマン・ツアーです。
yo-ka:まずは自分たちの中で曲を消化させないといけないなと思っているので、いかに曲を理解して掴んだ状態からツアーをスタート出来るかというのが鍵になってくると思いますね。なので、同じライヴは1日としてないです。

Interview:ERI MIZUTANI