2018年5月25日金曜日

2018.6月号 ダウト



――昨年秋から今年の春に渡り行った「ダウト47都道府県対抗!国盗リ合戦!-復刻LIVE BAND TOUR-」、無料開催というかなりリスキーなスタイルで行いましたが、実際に終えてみて、どんな手応えを覚えています?
幸樹 何時もダウトのライブを観に来てくれている子たちからの一緒にやり遂げた声はもちろん、これまでイベントライブを通して観たことはあるけど、ワンマンへ足を運んだ経験のない人たち。以前はダウトのライブへ通っていたけど、今回無料ということで久しぶりに来てく れた人たち。今回初めてダウトのライブを目にした人たちなど、いろんな人たちに今のダウトの姿を観てもらえる機会になったのが一番大きかったこと。中でも、初めて観る人たちにとって、雑誌などで目にしてきたダウトを直接感じてもらえたことは、観てくれた人たちにとっても、僕らメンバー自身も、とても良い経験値になったなと思っています。

――今回は全ヶ所無料公演。そこが、太っ腹ですよね。
威吹 ダウトにとっての一番のプロモーション手段ってライブなんですよ。
幸樹 だからこそ今回、ダウトに触れる入り口のハードルをあえて下げてみたわけですけど。今は、いろんなバンドさんが47都道府県ワンマンツアーをやっているご時世。ただ回るだけではなく、ダウト独自のやり方でダウト一番の魅力を伝えてゆくべきと考えたとき、その手法が今回は一番ベストだったわけなんです。
威吹 そうやってハードルを下げたことで、ダウトに興味を持っていた新規ファンが多く訪れれば、久しぶりにライブに足を運んでくれた人たちも各地でいたし、みんな一様に「楽しい」という声を返してくれたので、そういった面でもやって良かったなと思います。地方にもコンスタントに行けたほうが喜んでくれる人たちが多くなるなというのも改めて感じてました。
玲夏 ツアー前とツアー後を比べたら、間違いなくファンたちとの関係性を深く築けたのも大きかった。何より、短いスパンの中でライブを重ね続けたことで得た自信も大きくって。改めて、何処に行ってもダウトらしさを見せられる力がついたなとも感じてる。個人的にも、ステージに立つうえでの自信がついたツアーだったんですけど。自分の中で守ってきたライブへ向けてのルーティンにいろんな変化を与えていけば、それによって得た新しい発見もあったツアーだったなとも思っています。
ひヵる 確かに、自分たちの中でいろいろ変わったことはあるんだけど。それが具体的な形として現れてくるのは、きっと、これからの展開からなんだとも思ってる。
幸樹 以前のダウトは、「俺らはこういう音楽性を示すバンド。それを好きになってくれたら嬉しいけど、合わないならしょうがない」というマインドでした。もちろん、その意識も大事だと思うけど。今回のツアーを通し、「この曲では、みんなとこう騒ぎたい」など、自分たちからファンたちに歩み寄るというか、こちらから提示してゆくことも大事だなと改めて感じさせられました。今回のツアーを通し、具体的な目に見える大きな変化をつかんだというよりも、バンド内での内面的な変化をつかめたことのほうが大きかったこと。ひヵるも言ってたように、具体的な成果として花咲くのはこれからなんだと思います。

――直人さん、終えてみて、どんな想いを胸に抱いてます?
直人 まさか音楽人生の中、47都道府県をライブで回る経験をするとは思ってもいなかったので良い経験になったのと、おかけで車の運転が上手くなりました(笑)。

――今回、無料で47都道府県ワンマンツアーを行ったのも、バンドとして何かしら意識改革を求めていた面も大きかったのでしょうか?
幸樹 大きかったですね。長くバンド活動を続けていくための意思疎通を改めてしっかりと出来た。その成果を具体的に出していこうというのが、これからなんだと思います。

――5月23日に最新シングル『閃光花火』をリリース。今回は、何処か哀切さやノスタルジー感漂うバラードで攻めました。
威吹 選曲会のときに、「今回はバラードがいいんじゃないか」という話から決まったことなんだけど…。
幸樹 ダウトってバラードもぜんぜん表現していくバンドなのに、意外とシングルではバラードを出す機会が少なかったことから選んだ形でした。『閃光花火』を作るうえでも、日本人の好きなツボを突いたメロディは意識していましたね。それと、今回はダイナミックな楽曲ではないぶん、逆に、どれだけ聴いた人たちと近いところで歌うかというのも意識していきました。

――歌詞では、言葉遊びもしていません?
幸樹 月日の短さを花火に例えながら『閃光花火』の歌詞を書いたんですけど。音感だけで捉えたら、線香花火になるところを、なぜ『閃光花火』にしたのか。そこの意味は、聞いてもらえたらわかると思います。
直人 この楽曲、4月に行ったツアーのファイナル公演で一度披露してるんですね。だから、レコーディングでも気持ちを持っていきやすかったし、久しぶりにベースと一緒に録れたのも、あのノリを作るうえではデカかったね。
玲夏 『閃光花火』では上手く聞かせようよりも人間味を出したいと思っていたように、テイク数もあんまし重ねることなく…。
直人 2テイク録って、使ったのが1テイク目になります。
玲夏 それくらい、最初から良い意味でフランクに演奏出来たなぁと思います。個人的に、今回のツアーのファイナル公演でバラードの新曲を演奏するのが自分の理想としてあったこと。それは、「47都道府県ワンマンツアーもこれで終わりだね」と締め括るのではなく、ファンたちへ次のダウトの姿も提示したいなと思ってのこと。そのイメージを具現化したのが『閃光花火』なんです。

――先を提示してゆくことは、やはり大事なことだ。
玲夏 区切りにするのではなく、あくまでもずっと繋がり続けていくことが大切だなと思ってる。
ひヵる ファイナル公演で『閃光花火』を演奏したときから、「こういう歌を待ってました」という声もあったように、反響はすごく良かったんですよ。歌はちょっと切なくも聞こえますけど、演奏面では身体でノリを覚えるリズム感を出しているところも魅力だなと感じています。
威吹 新曲でバラードを発表すること自体、ダウトとしては久しぶりになるんですけど。このタイミングでバラードを持ってきたことは、すごく良かったなと思えていますからね。

――一転、C/Wには疾走感を持った『自虐の詩』を持ってきました。
ひヵる 『閃光花火』とのバランスを考えて『自虐の詩』を収録したんですけど。楽曲を作っているときは、まだ47都道府県ワンマンツアーをやってた頃のライブの感覚が残っていたこともあって、高いモチベーションを詰め込んだ形で作りました。制作の段階でも、メンバーみんなのアイデアをもらいながらまとめあげたように、改めて5人で作る作業の楽しさを味わえた楽曲でした。
玲夏 良い意味で悩んでたというか、一度作りあげては、若干コードを変えたりを何度か繰り返していたように、よく良くしようとブラッシュアップし続けていたその気持ちも伝わってくれば,それを受けて僕らも一緒に高め合う作業をしていましたからね。
威吹 ひヵるの求めている楽曲の姿へ、メンバーそれぞれにアイデアを提示していく、その作業自体が楽しかったからね。
直人 最初はギターソロの入ってない形だったところへ、「ギターソロも欲しい」と無茶振りをしたら、見事に引き倒してくれて。「だったら俺も叩き倒すわ」とやれたように、すごくいい形で録れたなと思う。実際に完成した楽曲は、パンクっぽい要素もありながらメロディは歌謡曲しているように、とてもダウトっぽいなとも感じていますからね。

――『自虐の詩』の歌詞は、47都道府県ワンマンツアーを経験したうえでの想いなのでしょうか?
幸樹 いや、楽曲を聴いたときに閃いた言葉から広げた形です。歌詞もだいぶストレートに想いを吐き出した形になりました。

――ダウトは6月より、47都道府県完走!大感謝祭ツアー2018「御礼参リクエストAWARD~投票亡き者は鬼畜セトリの刑に処す~」をスタートさせます。今回選んだ場所の基準が気になります。
幸樹 今回の47都道府県ワンマンツアーを行ったときに動員の多かった上位10ヶ所を選んでいます。中でも北海道が一番集客が多かったことから、そのお礼を兼ねて3ヶ所組みました。しかも今回は、各公演地ごとのリクエストに合わせてのように、毎回セットリストも変わりますし、僕らも(取材時点では)何を演奏するのかを楽しみにしています。
威吹 札幌以外の場所で演奏するのは初めてだから、そこも楽しみなんです。
ひヵる 途中経過を観てるだけでも、各地かなり面白くなりそうです。普段の自分たちなら選ばない曲たちもいろいろ出ていれば、土地柄によってバラードが好きな場所や、昔の曲が多い場所、逆に、最近の楽曲が多い場所など、見事にバラバラなんですよ。何処でも共通しているのが、普段あまり演奏しない楽曲が多いこと。意外と人気の高い曲が『慟哭にて時雨』と『棘』というのも出てきています。
直人 1年前に全曲ライブをやっているから、どんな楽曲が来ても大丈夫だけど、いろいろ思い返しながら演奏をするのも楽しみだね。
玲夏 ライブの流れ的にちぐはぐになりそうなら調整はしますけど、セトリの流れも、出来れば、その地域ごとの人気投票に沿う形で演奏したいなと思ってる。  
ひヵる 各地新旧取り混ぜた内容になるよう、そこは僕らも楽しみにしています。

――今後もダウトは、果敢にいろんな挑戦をし続けていくんでしょうね。
幸樹 期待に応えつつ、ファンの子たちが想像出来る枠内にとらわれたくはないと思っているように、そこはね。それに、メンバーそれぞれ叶えたい夢や想いがあるように、まずは実現していけるところから叶えていこうという気持ちで、これからも進んでいこうと思ってます。

Interview:TOMONORI NAGASAWA

2018.6月号 REIGN


──現在、6月20日にリリースされるシングルを制作されているとのことで。
郁磨:今回、2枚同時リリースなんです。SPEEDDISKの春のツアーをやりながら表題曲を2曲レックして、写真とMVを撮ったんですけど、これからまたツアーを挟んで、その後にカップリング曲をレックします。なので、1ヶ月ぐらいかけてのレックにはなっています。

──MV曲を両方とも聴かせていただきましたが、今までには無い要素がふんだんに盛り込まれていますね?
郁磨:『ベリアル』というアルバムを出した後だから、というのを自分でも感じたい作品にしたくて。そうしたイメージの下で選曲に入っていったので、メンバー間でもより長く話し合うことが出来ましたね。

──それもあって、2枚同時リリースというところにこだわりを置いたのですか?
郁磨:そうなんです。2枚同時に出す意味というのは当然あって。例えば、2ヶ月連続とかではなく、横並びにしたときに作品として意味をなさないといけないと思ったし。それこそ、2つの味を感じられるというのはもちろんのこと、片方が激しい音楽性でもう片方は静かなものという、ある種、みんなが思っている2枚同時リリースという概念を取り払いたかったんですよね。それで、どちらも激しくして2つのカラーを出していったんです。

──てっきり、2枚の作品で静と動を表現してくると思っていたので、実際に聴いてみて良い意味で裏切られました。
郁磨:ここ最近のライヴをしていく上で、うちのバンドって何が響くんだろうって考えたんです。それは主に自分たちのお客さんなのかもしれないんですけど、でも、色々なところに響いて今のお客さんがあると思っているので、ここ半年ぐらいでやってきたライヴの感触を感じて、今回の作品の方向性に辿り着いたというか。今推したいのはそういうことかなって。

──「白蛇」に収録されている「完全無欠絶対的Ruler」はTANOさん作曲ですが、随分とハジケた印象を受けました。作曲をするにあたって、自分が意識的に変化したなと感じることはありましたか?
TANO:もちろん、曲は作れば作るほど作曲の技術というのは上がっていくと思うし、上がっていかないといけないと思うし。僕は、そのときに作りたい曲を作っているので、特にこれといって意識はしていないんですけど、意識が向上していると感じてもらえているのならば、それは積み重ねだと思います。

──曲を聴くかぎり、良い気分で作られたのだなと。
TANO:あぁ、そうかもしれないですね。あと、静を表現した曲をよく作ってきたので、そうではない曲を作るというのは意識しました。

──となると、曲が出来てから郁磨さんが歌詞を乗せたということになりますか?
郁磨:そうですね、毎度のようにオケ先行で。何か、この曲はデモからストレートなイメージがあったんですよ。そのままの良さを活かしたかったので、歌詞もストレートに当てはめてみました。言いたいことや今思うことを言っているというのは『ベリアル』から出していたんですけど、ここでも言いたいことを表現していきましたね。例えば、Bメロで出てくる「そうさ此の中に」というのは、置き換えると「自分の中に」という意味なんですけど、そこはライヴでのジェスチャーを含め、より分かりやすくはなると思います。なので、聴き手それぞれに解釈してほしいというよりかは、答えは1つだと思っているので、俺はこう思っているんだけど君たちはどう思う?という感じです。

──和春さんはこの曲に関していかがですか。ライヴではストレートに演奏する様子が観られそうですけど?
和春:そうですね、はい。

──前作『ベリアル』を出してから気分的に変わってきたところはあります。
和春:そこは全然変わっていないですね、模索中です。

──そういえば、以前、自分のスタイルを模索しているとおっしゃっていましたね?
和春:はい。なので、そこはまだ探していますね。自分の中で課題が多いというか、まだまだ探し中です。

──なるほど。龍史さんはこの曲に関してどう思っています?
龍史:勢いのあるロックチューンだなと思いましたね。それでいて、TANOらしさというのも構築されたなぁと感じました。

──1番近いところで見ているメンバーから、らしさが構築されたと言われるのって嬉しいものですよね?
TANO:ほんとですよね(笑)。
龍史:でも、お客さんも、この2曲は俺とTANOのどちらかが書いたって言わなくても分かると思うんですよ。そういう意味では、お互いにらしさが構築されているのかなとは思います。

──「至極」に収録されている「ゆらり」は龍史さんの作曲ですが、これはまた独特の雰囲気を出していますね?
龍史:『ベリアル』の制作直後に新曲を書かなくてはいけないという状況だったんですけど、その時点では自分の中に曲のネタというのが一切無かったんですよね。そうした空っぽの状態で曲を書き始めたので、結構大変でしたね。スイカに例えたら、皮の部分まで食べちゃうみたいな感じでしたから(笑)。

──そうやって、ゼロの状態から生み出していったのですね。
龍史:どんな感じの雰囲気で、どんな感じのノリでというのはメモ帳にストックしてあるんですよ。ただ、それをどういう風に表現するのかは考えていなかったので、自分にしか分からない難しさはありましたけど。実は、聴いてもらった段階のものはまだ完全には出来上がっていないんですよ。後で、ここに女性のコーラスを入れて仕上げていこうかなと。

──今あるものから更に、エキゾチックな要素を強めようと?
龍史:イントロもそうですけど、ヒンドゥーっぽさというのは曲全面に押し出したいなと思っていて。MVもそうした方向で撮っていったんですけど、そういった部分で音階だったり音使いだったりにはこだわりましたね。

──ヴィジュアル系らしからぬところが、この曲の良さでもありますよね。そもそも、オリエンタルな雰囲気の楽曲というのは好んで聴いていたのですか?
TANO:いや、聴かないですね。
龍史:でも、スティーヴ・ヴァイとか聴くでしょ?
TANO:あぁ、好きで聴いてるね。けど、実践したことは無かったので、レコーディングする前には多少勉強しました。でも、この曲の大部分は同期なので、割と何をしても崩れないと思うんですよ。それもあって、ギターは好き勝手やっていきました。

──雰囲気的に、和春さんはとてもよく似合っているなと思いました。
龍史:それ、見た目ですよね(笑)。
和春:確かに、オリエンタルな服装は嫌いじゃないです。
龍史:カレーとかも好きだし。
和春:そうだね(笑)。でも、僕は理論とかは分からないので、やりたいことをやっただけです。

──歌詞は、曲調とはまるで異なる雰囲気を出していませんか?
郁磨:どっちかっていうと、「ゆらり」の方がネタの幅は無限大でしたね。でも、思い付いて書き初めてからは早かったかな。ここでは、少しキャッチーな言葉を使いたくて、自分の中で思い浮かんだ映像と合わせながら書いていきましたね。その映像というのはネガティブなものでもあったので、この曲に関しては、聴き手それぞれが解釈してもらえたらいいなという感じです。

──どちらの曲もライヴで盛り上がりそうですね?
郁磨:どちらにも言えるけど、感情的な部分、エモーショナルな部分というのがあるのでライヴ向きかなと。さっき言ったとおり、今のREIGNというのはライヴを軸に考えるようになっているので、そういった気持ちが歌詞にも出てきちゃっているのかな。ほんと、ライヴと楽曲は2つで1つ、ニコイチみたいな存在ですね。

──これからレコーディングに入るというカップリング曲も仕上がりが楽しみです。
郁磨:今話した2曲とは、また違う感じの楽曲になるかな。
龍史:これが白と黒ならば、カップリングは緑と黄っていうほど、色は全く違うと思いますけどね。

──それを聴いたら、また良い意味で裏切られたという言葉が出てきそうです。
郁磨:何を期待されているかというのは予想出来ないけど、俺としてはこういうのもあるのかと感じたので、REIGNを聴いてきた人ならそう思うかもしれないですね。

──7月からはレーベルメイトと廻る「森羅万象」ツアーが始まります。もちろんここでは、新曲も披露してくれますか?
郁磨:そうですね、ちょうどリリース後のツアーになるので。当然、ライヴが始まってしまえば他のバンドとバッチバチのバトルになると思うんですけど、レーベルメイトとしてみんな仲が良いし、各バンドを支えてくれているお客さんたちにも意味のある、思い出に残るツアーになればいいなと。あと、ツアー最終日にはREIGN的に重大な告知をしようと思っているので、これも楽しみにしておいてもらえたらなと思います。

Interview:ERI MIZUTANI

2018.6月号 ベル


──今回は、4人でどのような話し合いをしてから制作に入ったのですか?
明弥:去年は3ヶ月連続で作品を出したり、ポップでバリエーションのあるフル・アルバム『JUKE BOX』を作ったことで、ベルが奏でればベルサウンドになるだろうという自信が付いたんですよね。それで、バンドがやりたいことの1つとして挙げている歌謡曲はもちろん、他にもこういった音楽をやりたい、こういったメッセージを持つ曲をやりたいという欲が最近では増してきたので、そこを1度フラットにしてやってみたというのが、今回のニュー・シングル「夏風」ですね。
ハロ:歌謡曲をやればベルサウンドになるというのがわかったからこそ、もう1回ちゃんとベルという音楽を突き詰めるシングルにしてみようと。その中で新しい挑戦もしながら、これがベルだよっていうのを出せたと思うので、改めて原点に戻った作品になったと思います。あと、バンドとしての挑戦というところで、新曲4曲中、2曲を夢とあっきーが作詞と作曲を手掛けているんです。

──明弥さんにいたっては、ベルで作詞をしたのはこの作品が初めてですよね?
明弥:一応、昔から歌詞は書いてはいたんです。最近は特に、自分で書いた曲にこういう歌詞を付けたいなっていう具体的イメージができてきたからこそ、書けたというか。どちらかというと、歌詞というより曲に付けたい情景が見えたんですよ。

──明弥さんが作詞・作曲を手掛けた「カルマ」は、とてもロマンチックな歌詞になりましたね?
明弥:ハロくんにも伝えたんですけど、歌詞って自分の想いをバッと伝えるものと、ストーリーちっくなものに分かれると思っていて。この曲の歌詞は今までのベルにはないものだろうし、自分の中でもストレートというよりかは、こういう世界観もあるんだよっていうのを提示した感じですね。
ハロ:この曲は、頭の中でストーリーが進んでいって色々なイメージが沸いてくるような歌詞になっているなぁって。でも、曲自体は歌謡っぽいよね。
明弥:そうだね。歌詞は歌謡っぽくはないけれど、自分のイメージした世界観は作れたかなって思います。けど、自分で書いた歌詞を最初にメンバーに見せるときは恥ずかしかったですよ。
ハロ:グループLINEで歌詞が送られてきたんですけど、そうだったんだ(笑)。
正人:普段明るい彼の心の闇なんだなぁって思って読んでました。
明弥:いやいやいや(笑)。
夢人:君は二面性があるからね良い意味で。
ハロ:夢とあっきーは映画が好きなんですよ。だから、物語を書くのも得意なんだろうなって。
明弥:これも好きな映画からインスパイアを受けて書いていったところもあるので、その点で言うと、俺は絶対に心に闇はかかえてはいない!
ハロ:病んではいないと(笑)。
明弥:そう(笑)。
正人:この曲は歌詞が届く前にドラムを付けたんですけど、普段からそういうやり方でやっているのでいつもどおりでしたね。でも、今回、「夏風」は先に歌詞が来たんですよ。なので、歌詞を見てドラムを変えていきました。
夢人:ありがとうございます!
ハロ:「星の葬列」も歌詞が先だったよね。
正人:うん、そうだったね。これも歌詞のイメージに合わせてドラムを考えていきました。

──「夏風」は夢人さんの作詞・作曲になりますが、ずいぶんとポップな曲に仕上げてきましたね?
夢人:とにかく聴きやすい曲!を意識して書きました。
ハロ:「カルマ」とは全然違う曲ですよね。あと、僕だったらこういう言葉を使わないだろうなっていうのが「夏風」にはありました。例えば、〈スニーカー〉っていうワードは新しいなと。歌謡をコンセプトにしているだけに、これまで歌詞で横文字は極力使用してこなかったんですよ。でも、ベルの楽曲の中でこうして横文字をサラッと入れてくることで、逆に耳に残るかなって思うんですよね。
明弥:位置付け的にも、表題曲とカップリング曲って制作のときに意識するんですけど、シングルはこういうポップでストレートなものだったら、カップリングは「カルマ」を始め、また違った部分が見える曲を出したいなって。そこがベルの強みだと思います。

──そもそも、「夏風」はどういった発想の下、作曲に入ったのでしょう?
夢人:自分の培って来た音楽性を再構築して今できる最高の形にしてみようという事で練りに練ってこういう形になりました。人によってはベルらしくないと言われるかもしれませんが僕の中ではこれもベルなんじゃないかと。

──なるほど。本当にこの曲はシングル作のリードに相応しいと思います。
ハロ:この作品を6月にリリースして、7月8月と全国ツアーを廻るので、楽曲タイトルもそうだけど、これからの季節にぴったりなんじゃないかなと思います。あと、こうして新曲2曲を作曲者が作詞もしてしまうというのはバンドにとってすごく良いことだと思うんですよね。このバンドで自分のエッセンスを加えていったらもっと良いものができるという感情がなくなったら、バンドって進化しないと思うんです。だからこそ、こうやって新しいことにも挑戦できたと思うし。僕自身、最近は歌詞を書くのが楽しいんですよ。歌謡というコンセプトに重心を置いていた活動初期に比べて、今は楽曲の自由度が増している分、歌詞もそこに併せられるし、対バンやワンマン・ライヴを重ねることで僕のインプットも増えていっているので、ここ最近はアウトプットするという作業に行き詰まることはなくなりましたね。

──レコーディングもスムーズでしたか?
明弥:「夏風」は4つ打ちのリズムなので、今までの4つ打ち曲とは違うフレーズを入れていきたいなというのが最初にありましたね。ベースの音はデモの段階から入っていたのでイメージは何となく付いていたんですけど、1番自信のあるフレーズが作れたなと。ほんと、4つ打ちの曲はやれることが多いので、その中でイントロ、Aメロは休符を意識したり、サビは違うアプローチを入れたりしたので、ベルの明弥のベースっていう感じがちゃんと作れたと思ってます。
正人:ドラムは、最初はもうちょっと細かいことをやっていたんですよ。でも、歌詞を見てこれだと合わないなと思ったので作り替えていきました。さっきも言ったようにベルの曲は4つ打ちが多いので、ここでは違うことをしようと思って、サビでは右手は裏打ちの4つ打ちみたいな感じでやっていて、左手はハットを刻んでいるので、ライヴの見た目的にも今までの曲とは違った感じで聴こえるんじゃないかなと思います。
夢人:ギターの音作りなどその辺は全部従来基準で作っていきました。ベルサウンドです。

──本作は他に、「星の葬列」と「正直者は馬鹿を見る」という新曲が入ります。どちらも明弥さんの作曲とはいえ曲調がまるで違うので、聴いていると違った印象を残しますね?
正人:「星の葬列」は1番先に上がったんですけど、8分の5拍子と8分の6拍子で進んでいくので、ドラムの音を作るのが難しかったですね。
明弥:変拍子な上、細かいハネの部分がありますからね。これは、自分が思う戦争に対しての気持ちをサウンドにしてみたいなと思ったのが作曲のきっかけでした。なので、歌詞に関してもハロくんにけっこう注文して。
ハロ:争いをテーマにした曲がなかった分、作詞については今までで1番話し合ったかな。でも、最初からテーマが明確になっていただけに書きやすかったです。例えば、紛争が多い中東でも星が綺麗に見える地域ってたくさんあると思うんですよ。星って綺麗だけど、並んでいる様子が死を待っているようにも見えて。それでこのタイトルを付けたので、決して、戦争やめようぜっていうメッセージソングではないんですよね。
明弥:すぐになくなるほど争いって簡単なものではないけれど、なくなったらいいよねっていう感じはあります。もう1つの「正直者は馬鹿を見る」は、へんてこりんな曲を作りたいという気持ちがあって曲作りをしていったので、Aメロも2回出てくるけど、同じメロディでコードが違うっていう。あとは、いきなりCメロが出てくるとか、聴いている人を飽きさせない曲になっていると思います。他にも、ベースはスラップを多用しているし、ここまでリズム隊でバチバチ合わせる曲ってなかったので、ライヴでどうなるのかなって今は不安ではありますけど(笑)。
ハロ:ライヴでやるとしたら、最初はドラム・ソロからやって、途中でベースとギターが入ってきて、その後に僕が出てくるっていうのが良いかなって思うんだよね。
正人:それ、やりましょう(笑)。
夢人:必ずやりましょう。

──7月には「森羅万象」ツアー、8月には東名阪にて無料ワンマン、9月には4周年記念ワンマンツアーと予定も目白押しですから、新曲の披露が楽しみです。
ハロ:新曲は全部やると思います。「森羅万象」ツアーはレーベルルメイトと廻るからこそ負けたくないっていう気持ちはありますし、8月の無料ワンマンではベルのワンマン・ライヴってこういう感じなんだって観ている人にベルの空気に慣れてもらいたいですね。で、その後のワンマン・ツアーにも来てもらえたら嬉しいなって。
明弥:ワンマン・ツアーは、「ベルTHEヒットパレード」というタイトルに相応しく、全曲やろうと考えているので、ツアー全箇所来てもらえれば、ベルの全ての曲が聴けると思います。

Interview:ERI MIZUTANI