2020年2月25日火曜日

2020.3月号 SCAPEGOAT

――2月26日に、新作「心と身体の秘密-上-」がリリースされます。リリースの早さに驚いたファンも多くいるのでは?
春:でも、新作の話は既に年末のライヴで言っていたんですよね。それがようやく解禁になったので、ファンの人からすると、これだったのかっていう感じだと思います。

――それだけに、だいぶ前から制作に取り掛かっていたのではないですか?
春:早めにスタートはしてました。あと、4月5日に新宿BLAZEでワンマンライヴ「無垢な鼓動」を控えているんですけど、そこでのイメージが魂なんですよ。なので、それに関連付ける一歩手前といったものが、この作品なんです。

――春さんが思い描いていた作品イメージというのは、作曲者であるSayulaさんにどこまで伝えていたのですか?
春:具体的に、こういう感じにしたいというのは言っていなくて。一応、こういったコンセプトの作品にしたいというぐらいでしたね。
Sayula:具体的な話し合いはしなかったとはいえ、作品のコンセプトが大きいじゃないですか。今回は魂を表していることもあって、メンバーには、どういう曲がいいと思う?って聞きましたけどね。毎回、メンバーには意見を聞いてるんですけど、前作が「月光」っていうバラード曲だったので、今回はライヴを活かせる激しめの楽曲にしようと思ったんです。

――そこはやはり、BLAZE公演を意識してのことですね?
Sayula:そうですね。あと、そういうものにしようかってUが1番最初に言ってくれて。そういう経緯で曲を作り始めたので、コンセプトに縛られることなくできましたね。

――しかし、ここ最近のSCAPEGOATはライヴが多かっただけに、よく先の予定であるBLAZE公演まで考えられたなと思うのですが?
Sayula:確かに、最近はライヴづくしなんですよね(笑)。考えてみると、Uが加入して、SCAPEGOATが再始動してからライヴを90本やってるんですよ。
LAYHA:1ヶ月、10本計算ですね。
Sayula:簡単に言うと、2日に1回(笑)。そう思うと、気持ちを切り替えて先の予定に向かっていくというよりかは、普段から先々のことを意識していたっていう感じなんです。なので、BLAZE公演に向かっていくためには新しい武器を作っていくというのが使命かなと。

――もしも、ここまでのライヴの本数をこなしていなかったら、今回のような新曲が生まれなかった可能性もありますか?
Sayula:できていなかった気がします。年末の頃にBLAZE公演のタイトルが決まりつつあったので、ライヴで心拍数を上げてもらいたい、ドキドキしてもらいたいという気持ちにつながったんですよね。だからこその激しい曲になっているし、普段の生活だけではあまり感じることのできないことをライヴを通して感じてもらえたらなって。なので、「RöNTGEN」はSCAPEGOATらしい曲になったと思います。

――LAYHAさんは、リード曲の「RöNTGEN」を聴いたとき、どのような印象を受けましたか?
LAYHA:速いなって(笑)。

――言われてみると、この曲は確かに速いですよね。前作がバラードだっただけに、余計にそう感じるのかもしれませんが。
LAYHA:あと、なんていうか、意外としっかりした曲がきたなっていう印象なんですよ。激しい曲っていうと、ただただ速いっていう感じがあるじゃないですか。でも、「RöNTGEN」は曲の構成がしっかりとしているし、デモの段階から仮メロも入っていたので、ただ激しいだけじゃなく、壮大さも感じられたんですよね。だから、良い曲になりそうだなっていう予感はありました。

――これまでにも激しい曲はありましたけど、それとはまた別の感覚で弾けたのではないですか?
LAYHA:こういうのって、たくさん動くというよりも、ルート弾きでガシガシいきたい気持ちになるんですけど、そこは他の楽器との兼ね合いを考えながら録っていきました。

――Uさんはいかがです、「RöNTGEN」に関しては?
U:とりあえず、速いなぁと。

――やはり(笑)。
LAYHA:Uは何でもできる子なんですけど、この曲は手首ぶっ壊す勢いでやってるよね?
U:でも、俺的にそういう曲がほしかったんで、ちょうどいいですね。

――こういう曲を求めていたと。
U:色んなライヴの見せ方があるなと思っていて。この曲はテンポが速い分、お客さんの振りも忙しくなると思うんですよ。だから、ライヴが終わって、疲れたな~って感じになってほしいというか。そう思ってもらうことで、俺たちとしてもやり切ったっていう感覚になれるはずなので、ライヴですごく良いアイテムになると思います。
Sayula:曲作りはパソコンでやっているんですけど、やっぱり、パソコンと実際に音を鳴らすスピードって違うんですよね。だから、それを考えて配慮しながら曲は作ったつもりではあったんですけど、作っていた時点からUは叩けていたので、逆に、レコーディングは音とかにめっちゃこだわることができて。
U:全種類と言っていいほど、スネアを使いましたね。
Sayula:そう、レコーディングスタジオにあったやつを。

――何だか、バンドに余裕が出てきた感じがします。
Sayula:そうですね。あと、こういう曲がほしいなと思ったきっかけの1つに、年末にやったリクエストワンマンも関係しているんですよ。久しぶりの曲を演奏したことによって、ある意味、原点回帰ができたというか。例えば、この曲ってやってみたらここは静かにするんだとか、音源ではわからない奥行きみたいなものが改めてわかったというのもあって、それが良い感じに合わさっていって「RöNTGEN」ができたんだなって思います。

――そういったことを踏まえて、ご自身がこの曲で挑戦したことは何でしたか?
Sayula:速さですかね(笑)。

――楽器陣、揃いも揃って同じところを挙げますね(笑)。
Sayula:さっきライちゃんが言ったように、激しい曲でもただただ速いっていうのもあるんですよね。でも、そういった曲はうちはやらなくていいと思っていて。それよりかは、メッセージだったり、SCAPEGOATらしさだったりを残したかったんですよね。その中でも、イントロとかはギターが際立つよにしているんで、そういうところのエッジ感やタイトさは今までには出せなかったことだと思います。ああとは、リズム隊がめちゃくちゃ良いテイクを作ってくれたので、そのおかげで自分のハードルも上がったというか。注文したことが最終的には自分に返ってくるので、そういう意味では、成長できる曲がまたできたなと思います。

――春さんも、この曲に関してはハードルを高く設定しましたか?
春:まぁ、そうですね。歌に関しては、速さ的には確かに速かったんですけど、そこまでかしこまらずに歌えましたね。

――ライヴで実際に披露してみて、いかがでした?
春:細かいことを言うと、ブレスのタイミングがない曲だなって。
Sayula:息吸えないんですよ(笑)。
春:それほど、歌詞に言葉を詰めていったので、最近にはないタイプの曲にはなっているかなと。去年は新体制のSCAPEGOATを観てほしいという思いがあったので、「ラブカ」から「月光」まで色々なタイプのシングルを提示したんです。それを踏まえて出した新作なので、一皮剥けるというか、大人になった感じっていうイメージはかなり強かったですね。本質的な部分というイメージでは、SCAPEGOATとして新たなアプローチかなと思います、「RöNTGEN」は。

――本当に、今までの良い部分が重なった曲だと思いました。そして、カップリング曲の「Squall」もSayulaさんの作曲ですが、これはどのような思いの下で完成させていったのですか?
Sayula:ライヴの後とか、春がたまにTwitterで呟くんですけど、それを活かして作っていった曲がこれなんですよね。なので、最初に付けた仮タイトルは「春bot」でした。

――そういうところからインスピレーションを受けて作った曲は、今までなかったのではないですか?
Sayula:ないですね。ただ、去年からたくさんライヴをやったことによって、改めてSCAPEGOATは色んなことができるバンドだなと思えたというか。だから、こうやって春の言葉を借りて曲を作るのも新しい挑戦の1つだと思ったんです。その一言で誰かが救われるかもしれないし、何かのきっかけになったらいいなと思って、曲にダイレクトに活かすことにしました。でも、ライヴは自由に歌ってくれていいかな。何せ、botなんで、その日思ったことを自由に言ってもらえればいいです。

――自然体な曲ですよね。
Sayula:純粋な曲だと思います。

――ただ、Twitterはメンバー全員がやっているではないですか。他のメンバーの言葉を入れようとは考えなかったのですか?
Sayula:楽器陣が呟いた言葉かぁ。何かある?
LAYHA:ライヴ後に、ありがとうって伝えてるよ。あとは、バンドの告知などをリツイートするっていう。
U:俺も、Twitterに関しては、オフィシャルの事項を最優先してる。
Sayula:それは、曲では使えない。
U:あと、自撮りもしてないかな。
Sayula:それも、曲では使えない(笑)。とはいえ、自分もありがとうとはよく呟いているんですけど、それを歌詞にできるかと言ったら違うんですよね。
LAYHA:じゃあ、今後は曲に活かされることを狙ってツイートしていくわ。そしたら、作詞のクレジットに俺の名前も載せてよ(笑)。
Sayula:そんな狙ってやったらダメ(笑)。でも、それとは逆に、春の呟いた言葉に刺さっている人ってたくさんいると思うので、ほんとナチュラルに曲に盛り込むことができました。

――だからこそ、歌詞にも注目してほしいですよね。
春:まだ、この曲はライヴでやっていないんですけど、どうなるのかなって楽しみではあります。ノリもあるけれど、曲に聴き入るのか、未知の可能性がある曲だなと現状では思っていて。それだけに、今後、ライヴを良くしてくれる曲になるだろうなと。

――3月からは、関東火葬TOUR「ぼくらはみんな灰になる」もスタートしますし、新曲がどのように育っていくのか楽しみですよ。
Sayula:新体制して再始動して固まってきた今だからこそ、改めてSCAPEGOATの魅力って何だろうって考えると、バラード曲だったり激しい曲だったり、その全てにおいてメッセージ性があることだと思うんです。

――だから、イベントライヴでも印象を残すバンドになっているのでしょうね。
春:去年は、イベント出演が多かった分、ワンマン自体はそんなに重ねていないんです。そういう部分でも、BLAZE公演に向けて、関東ツアーはやっておきたいなと。普段、ツアーというと、大阪や名古屋に行くことが多かったので、こうして関東を中心に廻れるというのは嬉しいし、このツアーを経たことによって、BLAZE公演も更に良くなるんじゃないかなと思います。

――あと、気になったことがあるので最後に聞いておきたいんですけど、新作のタイトルが「心と身体の秘密-上-」となっているではないですか。「-上-」があるということは、その続きもあるのかなと勘ぐってしまったのですが?
春:その考えは間違ってはいないですね。ただ、「心と身体の秘密-下-」があったとしても、そこで完結というわけではなく、BLAZE公演を含めて1つの作品として成り立つというか。なので、これら全てがSCAPEGOATの今後につながるものになればいいかなという感じですね。

Interview:ERI MIZUTANI