2019年7月25日木曜日

2019.8月号 SCAPEGOAT

──再始動ワンマン以降、ずいぶんと積極的に活動を展開されていますね?
春:ちょうど今、主催ツアーが終わったんですけど(取材は7月上旬でした)、やっぱりライヴを重ねると良くなっていくなって印象があります。

──現体制になって4ヶ月、ツアーを通して充分な手応えがあったということですね。
春:そうですね。今回は東名阪だけでなく、北海道など地方も廻らせてもらって。あとは、久しぶりに対バンをやったというのも自分たちにとって良かったなと思います。
LAYHA:今って、バンド主催のライヴが少ないじゃないですか。でも、バンド同士でイベントを作っていくのって本当に楽しいので、久々に対バンやれて嬉しかったし、出てくれたバンドのみんなも楽しそうにしていたので良かったです。
Sayula:自分たちは主催側ですけど、このツアーは1日通して楽しかったんですよ。そういう楽しい気持ちって観てくれている人にも伝わると思うので、初めから最後まで楽しいと言えるイベントができるっていうのはバンド主催の魅力だなってやっていて思いましたね。あと、各地のCDショップの方からも「おかえり」って言われたのは嬉しかったです。

──他のバンドから見ても同じ気持ちだったと思いますよ。
LAYHA:そう思ってもらえるのは幸せですね。──ちなみに、このツアーを通して楽器陣の絆もより深くなりましたか?
LAYHA:いや、これがですね…………。

──おや、何かダメなところが?
LAYHA:深まりすぎてしまって、どうしようって(笑)。
Sayula:移動中もずっとうるさかったよね。
U:それこそ、ライヴ中も目が合うとふざけあってました。
LAYHA:仙台のライヴね(笑)。Uくんの地元が仙台なんで、ライヴやっている最中に「おかえり」って小声で言ったんですよ。そうしたら何を勘違いしたのか、「遅いですか?」って返してきて。で、「違うよ、おかえりだよ」ってまた小声で言ったら、「え、遅いですか!?」って返されてしまって全く話しが通じないっていう(笑)。
U:おかえりって言ってくれていることに全く気付いていなくて。どれだけ遅いんだろうって何度もクリック聞いて確認してました(笑)。
LAYHA:結果、どんどんテンポが速くなるっていう(笑)。でも、そうした些細なことも含め、再始動当初と比べてもメンバー間のコミュニケーションは良くなっていると思うんですよ。そこは、ツアーを廻った成果だと思います。

──確かに、再始動した頃はいささか緊張していたように見えました。
Sayula:うん、そうですね。始動の頃は各々の想いがそこにあったので緊張感が漂っていたと思うんですけど、今は周りのバランスも見えてきたのか、緊張もほどけて良い感じです。

──あとは、バンドとして一皮むけた印象もありますよ。7月17日にリリースされたニュー・シングル「縁」では、SCAPEGOATとしては初のテーマ“和”に挑戦しています。これは何とも大胆な発想だなと思ったのですが?
Sayula:予想外ですよね。ライヴ曲を作ろうという発想の下で出来上がった曲なんですけど、そもそものきっかけは、バンドの写真をどういう感じで撮ろうかって話をしていたときに、春が仲見世で撮ることを提案してきて。そういった構図の写真はこれまでにやってきたことなかったので面白そうだなとは思ったんですけど、まぁそのうちねって感じだったんです。で、そういえばあのとき言っていたことだけど、って言って今回やることになりました。
春:仲見世で写真を撮るのはずっと前からやってみたかったことなんですけど、SCAPEGOAT的にどうなんだろうっていうのが結構あって。でも、今回ようやく具現化することができたという感じですね。

──今までの曲を持ってきた場合、雰囲気がまるで違うのでそうした背景で写真を撮っても似合わなかったかもしれません。でも、今回は曲調を和に一新しただけあって、とてもよく似合っています。
春:ただただ和の曲調をやりたかったわけではなかったんですよ。もし、単純に和をやりたいだけなら背景は別のロケーションでも良かったと思うんです。でも、仲見世通りのあんまり和過ぎない感じだったら、SCAPEGOATでも消化できると思ったので、今回のシングルのコンセプトとしては、“SCAPEGOATが和をやったら”というイメージではありました。あとは、再始動後、一枚目のシングルを出してからガラッと雰囲気を変えたいという気持ちもあったので、SCAPEGOATってこんなこともやるんだなっていう感じで聴いてもらえたらいいなって。

──では、「縁」を作曲する際にSayulaさんが特にこだわったことは何ですか?
Sayula:僕の中で、やってみたい和の曲っていうのは元々あったんです。でも、こだわりを敢えて言うなら、他のバンドさんがやってきた和の曲を聴かなかったというところですかね。あとは、テーマを決めて制作に取りかかろうとしていたときに、Uが「こういうビートはどうですか?」って提示してきてくれて。それがちょうどSCAPEGOATにはなかった跳ねるような感じのビートだったので、それは面白そうだと思って楽曲に取り入れてみたんです。結果として、この曲の1番の肝になったと思います。

──敢えて他の曲を聴かないなど、ラフな気持ちで取りかかれたからこそSCAPEGOATの個性が活きた楽曲になったんですね。
Sayula:やっぱり、ビートが増えたっていうのは大きいと思います。それでバンドの印象が変わってくるので。
U:でも、提示したタイミングが良かったっていうのはあると思います。和風の曲を作ろうっていうところから始まっていたら、今のようなビートは出てこなかったのかもしれないんですよ。あくまで、こういうビートをやってみたいというところから曲ができたので、ほんとタイミングが良かったと思います。
Sayula:確かに、和風の曲を作ろうってところから始まっていたら音をもっと入れていたかも。たとえば、和太鼓を入れるとか。
U:あとは琴とか。
Sayula:そうなるよね。でも、それだと「SCAPEGOAT、どうした?」となりかねないので(笑)、演奏に関してはそれぞれの楽器を鳴らしていくなかで和が表現できた方が自分たちらしいなと思ったので、結果としてですけど、各々の思う和を取り込めて良かったです。

──となると、レコーディングもスムーズに進行していったのでは?
LAYHA:和風の音階を気にしなかったというのもあって、ベース自体は曲のコンセプトにとらわれることなくレコーディングできましたね。あとはとにかく、同じことをしないようにしようって思ったのは大きいですね。この曲では敢えてギターとのユニゾンを避けているんですよ。そういう面ではベース単体で聴いても面白く仕上がっているかなと思います。
春:歌は、いつもと変えたというところはないですね。Bメロは普通に出るキーなんですけど、敢えてファルセットにしたりとか。そういう変え方はしていきましたね。

──歌詞でいつもと書き方で変化をつけた部分はありますか?
春:最初から《後ろの正面だぁれ》という一文は頭の中にあったので、そこから『かごめかごめ』を調べていき、言葉を考えながら書いていきましたね。

──タイトルに込めた想いというのは?
春:7月28日にやるワンマンのタイトルが『宴』っていうんですけど、それとセットで考えていったところはあります。宴を連想させる縁日の華やかさや、あとは“切っても切れない”というのをテーマにしていたので、そういう部分でも伝わればいいなと思って「縁」と付けたんです。こうして長年バンドをやっていると、応援してくれるファンとの縁って大切だなと思うので、そこをイメージしたところはありますね。

──カップリングの2曲は、「縁」とはまた違った雰囲気になりましたね?
春:和はメイン曲だけでいいかなって。とりあえずバリエーションが欲しかったので、色々な曲を入れたいという気持ちがメンバーの中にありました。3曲目「デモクラシー」に関しては始動のときから演奏していて。これはドラムから始まるのでライヴでも良いスパイスになっているし、前と比べても仕上がりはかなり良くなってきていると思います。
LAYHA:やっぱり、今が1番良いって言える状態じゃないとバンドとしてダメだと思うので、演奏している側としても曲の仕上がりが良くなっているというのはいいことだなと。

──バンドとして今が1番良い状態というのは、とても素敵だと思います。
Sayula:聴いてくれる人それぞれに好きな曲って違うと思うんです。それをこっちは受け入れつつ、より進化していった方が、聴いてくれる人にとっても面白くなってくると思うんですよね。そういう意味では、今は過去も気にせず進めていけている感じがします。その上で、各々がやりたいこと、バンドでやりたいこと、どちらも明確になってきているので、やっていて楽しいですよ。

──そういう話を聞いてしまうと、次回作はどうなるのか気になります。
春:どんな感じの曲になるのかっていうことですよね。とりあえず、今言えるのは、また今回とは違った曲にはなります(笑)。なんか、今はひたすら曲を出したくて。なので、新作は、SCAPEGOATとしての新しさを出していけたらいいなと考えています。

Interview:ERI MIZUTANI