2019年6月25日火曜日

2019.7月号 Develop One's Faculties



──新曲を聴かせてもらいましたが、バンドとしてたくましくなった印象を受けました。というのも、メンバーが1人脱退したこともあって、DOFは今後どうなることかと思っていたので。
yuya:けど、それで音楽がブレたら、それまでのバンドじゃないですか。

──確かに。そうなると、今までやってきたことは何だったのだろうと感じてしまいますね。
yuya:むしろ、あいつの分まで音楽を…、Develop One’s Facultiesをしていかないと意味がないし…。それに、メンバーがいなくなったからって音楽性を変えるっていう感性に普通は辿り着くの?

──あると思いますよ。メンバーの脱退ってバンドにとってはとても大きな出来事ですから、話し合いの結果、これを機に音楽性を変えていこうというのは、ある意味、普通でもあるのかなと。
rui:あと、人によっては、バンドの体制が変わったから違うチャレンジをしようかっていうのもあるかもね。
yuya:へぇ~、そうなんだ。でも、僕たちの場合、それをやってしまったら、このバンド名を掲げている意味ないでしょ。

──その点、DOFは1つのピースが欠けても音楽性が狂うことはなかったので、強いなぁと。
yuya:なるほど。そう思うと変わらないですね。進化はしているけれど。

──どういったところで変わっていないなと思います?
yuya:結成したときの気持ちとか。ハートの部分は何も変わらないなって。

──ちなみに、現体制になってから、3人でどれくらい話し合いを重ねたのでしょう?
yuya:どれくらいかな。俺、あんまり自分からミーティングしようって言わないんですけど、この2人を呼び出してこれからどうしようかっていうことは話しましたね。というのも、自分自身は終わろうと思っていたんですよ。

──それは、バンド活動を?
yuya:うん。続ける気はゼロでした。やめようと思ってたんですけど、色んな方の言葉だったり、メンバーが言ってくれた言葉だったりに動かされたというのはありますね。

──そうだったんですね。気持ち的には、ゼロどころかマイナスまで傾いていた時期もあったかと思います。でも、yuyaさん的に、ここでやめてはいけない、もっとやってやろうと思った原動力って何だったんですか?
yuya:やっぱ、周りのパワーかな。応援してくれる人も含め。でも何よりも、俺らがこうドーンって上に行ったときに、あいつが元気だったら、パスでも出して観に来いやっていう気持ちも、俺の中には1つあったかな。

──そういった想いが。
yuya:けど、やめなかったのは、純粋に音楽が好きなんだろうね(笑)。

──メンバーそれぞれ、やめるか続けるかってすごく悩んだところではあると思うんです。でも、やっぱり、好きっていう気持ちって本当に大事だなって。もう、それだけあれば何とでもなるというか。
yuya:そうなんですよね。例えば、終わることを選んだとしても、俺はそれがバンドとしてブレているとは思わないんですよ。ただ、悲しいなとは思う。これだけやってきたのになぁって。

──中には、「ふーん。そうなんだ、解散するのね」の一言で終わってしまうバンドもいるけれど、DOFがこのタイミングで終止符を打つのはあまりにももったいない。だから、yuyaさんが悲しいって思ってくれたのはDOFに対して期待値が感じられるからこその言葉だと思うので、継続することを選択してくれて本当に嬉しいです。
yuya:もう大丈夫ですよ、現段階で3人は愛を確かめ合ったんで。

──そんな熱い現場、見たことないんですけど(笑)。
yuya:そういうときは喋るよね?
rui:僕とyuyaは喋りますね。

──あれ、Johannesさんは?
Johannes:(翻訳済)どうだったかな(笑)。
yuya:っていうか、話いきなり飛ぶけどさ、レッドブルの缶にストロー差して飲む?
rui:あ、これ? 炭酸をグビグビ飲むとお腹壊すから、ストローで飲むようにしようかなと思って。

──へぇ~。って、だいぶ話が飛びましたね(笑)。
yuya:いや、目の前で見てて気になったから。って、そういうことか(笑)。

──そもそも、お腹壊す心配があるなら飲まなければいいのでは?
rui:やだ、味が好き。あと、飲むと目が覚める。
Johannes:(翻訳済)僕はライヴ前に飲んでます。
yuya:大事だよね。レッドブルはミュージシャンの必須アイテムですよ。

──3人ともけっこう消費してるんですね。
yuya:そうだね。俺はシュガーフリー飲んでる。
Johannes:(翻訳済)フリーって、逆に甘くない?
rui:甘いよね。僕は普通に砂糖ありの方がいい。

──とりあえず、砂糖ありでも無しでも、レッドブルを差し入れたらメンバーが喜ぶってことでいいですか?
rui:死ぬほど喜ぶ(笑)。
yuya:間違いない。受け付けてます(笑)。

──こうした他愛もない会話で盛り上がれるほど、メンバーのモチベーションは上がっているということですよね?
rui:まぁ、そうですよね。
yuya:正直言うと、どん底まで仲悪かったんですけど、今は本当にバンド内の雰囲気が良くて。やっぱり、3人でミーティングをやったことで変わったところはありますよね。バンドを愛して続けていくっていうところで、ここはこうしていこう、それはああしていこう、って決めてからは本当に喋るようになりました。最近なんて、レコーディング終わった後に相方(rui)とサシで飲んだんですよ。そんなのって、バンド組んで初めてだったかな。
rui:そうだね。でも、僕は意図的にしていなかったっていうのもあるんですよ。これはあくまで僕の主観なんですけど、メンバーと必要以上に仲良くしていると、何かあったときに弊害が出そうで嫌だなって。

──過去の経験を踏まえ。
rui:そうですね(苦笑)。何かあったときに、あのときあれだけ仲良くしてたのにって思いたくないっていうのがあるのかも。
yuya:それもそうだけど、最初から積極的に誘い合う人間がうちは集まっていないっていう。

──根本的な問題でした(笑)。だからこそ、この変化は大きいですね?
rui:まぁ、そこがメンバーが脱退した直接の原因ってわけではないけれど、交流がなさすぎるのも良くないっていう結論に至りました(笑)。

──良かったです。けど、私情を持ち込まずにステージに立ち続けたみんなはかっこいいなと思います。
yuya:そこは、ミュージシャンとして当たり前のことですけどね。
Johannes:(翻訳済)どんなことがあってもいつもどおりのステージをする、っていうのは昔から思っていることなので、今回のことがあっても、そのとおりにライヴができたんじゃないかなと僕は思います。

──観る側としては、DOFが3人になってからのライヴも気になっていたけど、新作がどうくるかも期待していたんですよ。なので、今話してくれた流れがあって、新曲の制作に取り掛かったかと思うと、「ephemeral」は良い作品になったぁと。
yuya:最近は伝えたいことが100%出せていると思っていて。今まで100%出そうと思っても、歌詞を書くのがあまり好きじゃない時期とかあって、70%ぐらいのときもあったんですよね。でも、今改めて見ると、その70%で書いた歌詞にも良いなと思う部分はたくさんあるし。自分の中でのセルフライナーノーツというか、自分自身を見返すという機会というか、過去があって今があるというのはすごく良いことだなと。それを思いながら新作を作ったので、今回も良いものができたなと思います。

──今回、ベースはyuyaさんが弾いているというのもあって、すごくラフな感じがしたんですよね。
yuya:やっぱり、dettoからインスパイアを受ける部分もあったし、俺自身が思うベースラインというのもあって。それを良い意味で消化しようと思ったときに、誰か別のベーシストに弾いてもらうよりも、俺が弾いた方がDOFらしくなるだろうなって。だから、そこについては何も考えず、良いベース弾こうって思いましたね。おかげで、すげぇかっこいいベースが録れました。

──かっこいいと思います。「前の方が良かった」とか「逆に今の方が良いんじゃないの」という感じで見るのではなく、単純に、バンドが出せるそのとき最高のものが出ているなと。あと、これは歌詞の内容も良いですね。
yuya:歌詞については見たとおりというか、そのままとしか言いようがないんですけど、自分の中でキーとなる部分は冒頭なんですよね。天国と地獄の中間っていうのは地球のことで、結局、天国と地獄のどちらにも行ったことがないのでわからないんですけど、地球で生きているたくさんの生物の中の1つとして何ができるんだろうって考えたときに、俺を含め、履き違えて生活している人って多いだろうなって。俺、そういう曲作ることが多いんですけど、これは割と自分自身に向けて歌っているかな。
rui:毎回、歌詞を見て思うんですけど、その時々の感情だったり、気持ちだったりというのがちゃんと出ていて、後退していないというか。きちんと想いを吐き出せて書けているところが良いなと思いましたね。

──毎回、歌詞をちゃんと読んでいるのがすごいですよね。
rui:たまにタイトルの意味がわからないときありますけど。
yuya:調べてくれ(笑)。

──今回は、“儚い”という意味で捉えていいんですか?
yuya:そうです、そのままで大丈夫です。だって、儚いじゃないですか普通に。
rui:人によって取り方は変わってくるんだろうけど、どういう風に受け取ってもいいように歌詞を書いてくれるのはありがたいなと。
yuya:今、相方が人によって取り方が変わってくるだろうって言ってくれたけど、今回の歌詞は儚いだけじゃないんですよ。マイナスの感情が100%だとしたらもっとマイナスになるだろうし、ハッピーだと思ったらもっとハッピーになる。この歌詞をちゃんと読むとわかるんだけど、そういう風だよっていう自分自身に対して、それでいいって思っていない。変われるなら変わりたい、変わっていきたい。それも救いだし、希望だし、光なんですよね。

──そしてまた、儚いという意味を持つタイトルの曲なのに、バラードに仕上げなかったのも面白いですよね?
rui:だからこそ、このバンドってすごく面白なって思います。まぁ、それだけにレコーディングは難しかったりもするんですけどね。

──同時に、どんな曲がくるのかとワクワクする気持ちもあるのでは?
rui:まぁ、そうですね。できることはやりましょうって(笑)。でも、こうして出来上がったものを聴いてみると、達者になったんじゃないかなとは思いますよ。結局、このバンドをやることでそこが1番、自分の成長につながっているなっていうのがわかるので、置かれている環境って大事だなって。

──Johannesさんは、「ephemeral」のレコーディングを振り返っていかがですか?
Johannes:(翻訳済)これ、大元のドラムを作ったのが歌詞が乗る前だったんですよ。ギターだけあったんだっけ?
yuya:ううん。ギターと歌とベースが入っていた。で、俺とディスカッションしながらドラムの音を作っていったよね。
Johannes:(翻訳済)曲を聴いたときにエモい感じだなと思ったので、極力、ドラムもエモさを出していったんですけど、それがだいぶ前のことだったので、歌詞が出来て曲が送られてきたときに、こんなドラム付けたっけ?って思いましたね。何か、懐かしかったです(笑)。

──そう感じるのは、日々、成長しているからじゃないですか?
Johannes:(翻訳済)あぁ、そうなんですかね。で、歌詞が乗ってから、ドラムは更にエモさを付けてアレンジしていきました。もちろん、レコーディングでもなるべくエモくなるようにって意識しながら叩いていた気がします。

──ライヴではより感情的に叩けそうですね?
Johannes:(翻訳済)そう思います。

──カップリングの「don’t think feel」は、CDに歌詞カードが載らないそうですね?
yuya:まぁ、歌詞がないんですよ(笑)。
rui:スキャットに近いからね。

──そうなると、ライヴで演奏するときは、その場のテンションで歌うことが変わってきそうな予感がするのですが?
yuya:一ヶ所、とんでもなく難しい歌のセクションがあって。だから、「don’t think feel」ですよ。

──「考えるな、感じろ」と。
yuya:そう、それ(笑)。タイトル自体、このバンドにピッタリで良いなって。

──2曲とも、ツアーを通してどうなっていくのか楽しみです。
yuya:この記事が載る頃には、ツアーも後半に突入してますからね。で、なぜこのツアータイトルにしたかというと、誰かに会ったときの最初の一声って、やっぱり「こんにちは」だと思うんですよ。だから、今回は「Hello.」というツアータイトルを掲げて、全国に音を届けに行きたいと思います。

Interview:ERI MIZUTANI

2019.7月号 SHiSHi


SHiSHi

  昨年8月30日より活動をスタート。バンギャやバンドマンの心情をシニカルに、ポップに描写した楽曲が話題を集めているSHiSHi。彼らが、1stシングル『かまちょ。』をリリースした。8月には東名阪でワンマンツアーも実施。「幕末の志士のように世の中を斬って連鎖反応を起こし勝利を掴む、そんなメンバー全員が主役となり得るアンチなヒーローをコンセプト」に活動をするSHiSHiの魅力を追いかけた。

――1stシングル『かまちょ。』を聴いて感じたのが、玲乃さんの歌詞は、バンギャさんへの気持ちへ寄り添う内容はもちろん。バンドマンがバンギャさんへ向けての想いを言葉にした内容も多いなということでした。
伊吹玲乃  気持ちへ寄り添うというよりも、一緒に楽しみたいなという気持ちが僕らの中には大前提としてありますからね。

――一緒に楽しみたいという言葉が、なんか親しみを持てていいですね。
伊吹玲乃  僕ら、ファンの子らと一緒に青春をしていたいんです。しかも、今回のシングルに掲げたテーマが「青春」。バンギャさんたちにとっての「青春」と言えばバンドマンへの想いだと僕は思います。もちろん、バンドマンにとっても「青春」の対象はバンギャさんたちになる。そこから、今回収録した曲たちの歌詞が生まれました。

――SHiSHiが誕生したのが昨年の8月30日。この記事を目にする頃で、ちょうど10ヶ月経とうとしています。ここまで、自分たちが想い描く通りにバンドは進んできています?
伊吹玲乃  自分らの頭の中には理想として思い浮かべている姿はありますけど、そこはまだぼんやりとしているのが現状です。
神門亮平  これまでにSHiSHiは、0thシングル『アンチヒーローズ』を通販で。、0thミニアルバム『病みうさぎ』を会場限定盤として発売してきました。「アンチヒーローズ」というテーマを掲げながら始まったSHiSHiですが、作品やライブ本数を重ねるごとにメンバーの持ち味が楽曲の中から際立つようになれば、バンドとしての個性も同じく際立ち始めてきた。そのうえで、初の全国流通盤となる1stシングルの『かまちょ。』を作りあげたとき、ようやく、ここからバンドとして花開いていけるなという手応えを覚えることが出来ました。まさに今は、そういう時期なんだと思う。

――SHiSHiは、最初に「アンチヒーローズ」というテーマを掲げて始まったんですね。
伊吹玲乃  SHiSHiは「アンチヒーローズ」をバンドとして進むうえでの軸にしながら、そこに基づいた曲たちを作っていこうというところからスタートしています。僕ら、結成一周年記念公演となる8月25日に渋谷REXで行うワンマン公演にも「アンチヒーローズ 序」と名付けたんですけど。それは、根本はそこにあるというのを示したいなと思ってのことでした。

――「アンチヒーローズ」という言葉へどんな想いを込めたのかも教えてください。
伊吹玲乃  「一人一人が主役」「一人一人が最強なんだ」という想い。正直、今も「最強」を探し続けているように、そこは、これからも求めてゆくものだと思います。

――それくらい、SHiSHiのメンバーは…。
伊吹玲乃  個性の強い人たちばかり。そのメンバーたちがケミストリーを起こしたら最強のバンドになれる。その確信のもと、今もそれを求めて活動を続けています。

――その最強と思えるメンバーのことが知りたいです。それぞれ、横に座っているメンバーのことを紹介していただけますか??
伊吹玲乃  じゃあ、僕から行きます。横にいるメアリーは、観ておわかりのようにバンドの中で一番派手で、しかも際物風のメンバー。現状発表しているSHiSHiの楽曲はすべてメアリーが手がけたように、バンドのメロディメイカーでもあります。見た目は際どいですが、普段はとても優しくて本当にいい奴。でも、楽曲制作に関しては本当に頑固。それだけ自分のプライドをしっかり持っていれば、たまに曲制作でぶつかりあうことが結果的にお互いを高めあっているように、自分にとっても良い糧となる人です。
ショウジ・ニ・メアリー  となりにいるやまと君は、バンドのスケジュールからやるべき事柄まで、細かいことをすべてまとめあげてくれるように、ベースプレイと同じようバンドの土台を支えてくれる人。バンド内の行動もすべてやまと君が引っ張ってくれるように、SHiSHiを動かしてゆくうえでの柱となる人。あと、みんなが感情的な意見交わしあうところを上手くまとめあげてゆくように、とても気づかいの上手い人です。そこは亮平君も同じのように、SHiSHiはリズム隊の2人がしっかり支えているところが大きいなと思う。
やまと  僕は、お花のことを、いつも"ちゃん"と呼んでるんですけど。彼は、バンドのマスコット的な存在。なんかねぇ、ちゃんがいるだけで楽しくなれる。それはメンバーだけじゃなくファンたちも同じで、お客さんらが最高の笑顔を浮かべているときって、ちゃんのことを観ているときが多いなと僕は感じています。まさに、SHiSHiにとってのムードメイカー。それと、各メンバーが外には出さないけど、じつは元気がないときなど、そういう心境の変化へ一番最初に気づくのが、ちゃん。ただし彼の場合、それに気づいても気づかいの苦手な人だから、その後の気づかいは亮平君がやっていることが多いけどね(笑)。まとめあげるなら、ちゃんはみんなの弟的な存在。あと、ライブ中の表情がとても豊かなように、そこも観て欲しいなと思います。
お花  亮平君さんは感覚の鋭い人。みんなが「楽しいじゃん」と浮かれているときも、「でも、これって冷静に考えると何々だよね」「このままで大丈夫?」など、つねに一歩下がって物事を見てくれる。そこは、やまと君さんも一緒なんですけど。うちのリズム隊は、つねに冷静な目で物事を判断してくれる。その中でも、亮平君さんはとくに鋭さを持ってるというか、みんなが見落としてしまうところも絶対に見落とさない。だって、フライヤーのたった一文字の間違いとか、他のメンバーが誰も気づかなかったのにすぐに気づく人だもんね。
神門亮平  一生残るものを間違ったまま出してしまうと、ずっと後悔してしまうから…。
お花  そこが、凄い。しかもメンバーやファンに対しての気づかいもつねにしているように、そこが亮平君さんの持ち味だと思います。
神門亮平  玲乃君がいなかったらSHiSHiは存在していなかったように、やまと君がバンドの柱だとしたら、その柱を支えるバンドにとって一番の土台となる人が玲乃君。「このバンドをこうしてきたい」と一番強く想いを持っているように、彼の意見や考えにだったら僕らもついていく気持ちのよう、本当に信頼のおける人。あと、つねに新しいことへ興味を持つように、そこで感じた物事をバンドに持ち込めば、それをメンバーらに投影しながらケミストリーを起こしていくように、とても感性豊かな人だと思います。

――そんな個性的なメンバーたちが、「青春」というテーマを掲げ、1stシングル『かまちょ。』を作り上げました。最初にも言ってましたけど、バンドマンやバンギャさんにとっての「青春」は、お互いを想う気持ちになるわけですよね。
伊吹玲乃 SHiSHiとして青春をするなら、やっぱしバンギャさんとしたいし、その逆も望んでくれているのかなと思うんです。だから、表題曲として持ってきた『かまちょ。』の歌詞も、バンギャさん側の気持ちになって青春している姿を書いたし、僕らにしてみれば、『ビッチ姫』に記したような想いをバンドマンはバンギャさんたちに対して持っているんだよということを提示したわけなんです。

――青春というテーマは、メンバー全員で…。
伊吹玲乃  共有したうえで作っています。
やまと  具体的な想いを書いているのは玲乃君だけど、その想いを、僕らはどう昇華して演奏に出してゆくかが大事というか。
神門亮平  僕なんか、玲乃君の書いた歌詞を通して、「あっ、バンギャさんってこういう気持ちなんだ」と解釈していましたからね。
伊吹玲乃  そこは、僕も想像の部分ですけど。でも、「こんな想いだったら楽しいだろうな」とか。それこそ、おばあちゃんになり、死ぬ間際に「昔、こういうバンドのライブに通いながら、こんな楽しい青春時代を過ごしてたなぁ」と思い返せる。そんな想いが甦るような気持ちを書きたいなと思って。ちなみに『ビッチ姫』には、バンドマン側のバンギャさんへの行き過ぎた愛を記しました。

――バンギャさんの心情を歌うバンドは他にもいろいろいるけど、バンドマン側のバンギャさんへの心情を歌にする人たちっていないから、そこが新鮮でした。
伊吹玲乃  僕ら、バンギャさんのことが好き過ぎるんで。でも、それって良いことじゃないですか。それに歌詞を書く以上は、「この歌いいね」だけで終わるのではなく、「なに、この歌?!」というひっかかりを作りたかった。『かまちょ。』にしたって、ただ「好き好き」だけじゃないところまで感じてもらえたら嬉しいなと思ってる。

――他のメンバーは、1stシングル『かまちょ。』について、どんな手応えを覚えています?
神門亮平  収録したどの曲もライブで披露し始めているんですけど。演奏していて楽しいのが『かまちょ。』と『バブみ。』。お客さんたちの中でもとくにリアクションが高かったのが『ビッチ姫』という印象です。ただ、ライブや公開したトレーラー映像のみでは、ファンの人たちも詳しい内容までは把握しきれてないのも正直なところ。音源を通して中身をしっかり把握したとき、よりはまってもらえそうな手応えも感じています。
お花  SHiSHiって、作品を出すごとにヴィジュアル面もガラッと変えています。「同じバンド?」と思えるくらい次々と変化していく様を、今回も楽しんで欲しいなと思ってる。
やまと  それは楽曲にも言えることで、音源とライブではアレンジもだいぶ変わります。ミニアルバム『病みうさぎ』に収録した曲たちなど、音源とライブではだいぶ変われば、『かまちょ。』に入れた曲たちも、ライブ時の玲乃君の感情次第で変化してゆくように、その違いも楽しんで欲しいなと思ってる。あと、SHiSHiの楽曲にはかならず「アンチヒーローズ」というテーマが隠されているように、それを発見してもらうのも音源を聞く楽しさだと思います。
ショウジ・ニ・メアリー  むしろ、最高傑作が生まれたからこれを次に越せるのか。そんな嬉しい不安をすでに覚えているからね。

――8月には東名阪を舞台にしたワンマンツアーも決定しています。
伊吹玲乃  今年からSHiSHiは東名阪を舞台に活動を続けていれば、いずれもっとその範囲を広げていきたいなと思ってる。そのためにも、まずは東名阪の3ヶ所をしっかり盛り上げていきたい。まして東京は一周年記念公演、気合いの入り方もより濃くなっていきそうな気がします。
やまと  今年の夏は、ぜひSHiSHiと一緒に青春して欲しいよね。そのうえで、共に成長していけたらなと思ってる。


Interview:TOMONORI NAGASAWA