2019年2月25日月曜日

2019.3月号 ユナイト

──ユナイトが結成されて今年で8年となります。8年間を振り返ってみてどのように感じていますか?
LiN:どう?
莎奈:いや、俺はまだ4年生ですけどね(笑)。

──そうでした、莎奈さんはユナイトに加入されて4年しか経っていませんでしたね。
LiN:あ、でも、気付いたら8年かって感じです。
ハク:あと、8年もバンドをやっていれば色々あるよね。
LiN:そうだね。けど、考えてみたら、地元の友達と同じぐらい長い付き合いにはなっているんだなって。
椎名未緒(以下、未緒):正直、長かったなぁっていう感じはしてないです。当然、この8年を短いとは思ってはいないんですけど、小学校の6年間の方が長く感じた気はしますね。
莎奈:あぁ、それわかる。
未緒:やっぱり、大人の体感と子供の体感って違うんだなって。なので、ユナイト結成8年目ですねって言われてもそんなにピンとこないというのが正直なところではあります。ただ、俺自身、8年もバンドを続けてきたことがないので、冷静に考えるとすごく長い時間ユナイトをやっているなぁという感じはしますね。

──では、ユナイトが長く続けてこられた理由として、何が挙げられると思いますか?
ハク:まずは、バンドで生活ができている。それは大きいと思いますよ。
未緒:僕たちは結成以来、“終わらないバンド”というテーマを掲げて活動してきたんですけど、終わらないっていう点では、バンドが売れるというのも重要だと思うんですよ。バンドで活動していく以上は遊びの要素じゃない部分で成立させないといけないわけだし。なので、そこがクリアできているというのは確かに大きなことだと思います。自分たちでどんなにかっこいいと思ってバンドをやっていても、衣食住に困りながら続けられるものではないと思うんです。

──バンドをやるには綺麗事だけではうまくいかないということですね?
未緒:そういう意味では、基盤がしっかりしたのがバンドを続けてこられた1番の要因なのかなと。あとは、それに伴って人間的にしっかりとしたメンバーが運良く揃ったというのもあります。
結:あぁ、そうですね。僕もみんなと同じで8年間長かったなっていう感じはないんですよ。でも、振り返ると長かったなっていう印象があって。良い8年を過ごしたかどうかっていうのは、何を良いと考えるかだと思うんですよね。順調に進んできても順調なことだけが良いことではないのかなと。むしろ、途中で失敗や悩みを乗り越えて成長できたときにバンドが良くなっていくと思うので、この8年、バンドとして悩んだり葛藤したりしたけどその度に乗り越えることができたので、良い8年になっているのかなと思います。

──そうした想い、常に曲に反映されているように感じます。3月6日にはニュー・シングル「ビリブオアノ」がリリースされますが、リード曲の「ビリブオアノ」は明るいタッチの曲だったので、LiNさんが作曲されたというところにまず驚きました。
LiN:何も考えないで作る曲って割とこういう感じなんですよね。いつも僕が作る曲は飛び道具っぽいって言われることが多いんですけど、そういうのを全部無視して作ったのがこの曲なんです。

──本質にある部分はこうだぞと?
LiN:あぁ、そうですね。芯の部分は良いやつなんですよ、僕(笑)。

──ということは、この曲ができあがったとき、メンバーからも同じことを言ってもらえたと?
LiN:そうです、そうです。デモを聴いた瞬間から、みんな泣いてましたね。
結:泣いたっけなぁ(笑)。
莎奈:そもそも、選曲会の時点でデモができてなかっただろ(笑)。
LiN:1サビまではできてた。

──違った意味で泣いたと(笑)。
LiN:まぁ、それはそうと、この曲が1番遊園地ぽかったんですよね。

──曲を作る時点で3月30日に行われるワンマンを想定していたんですか?
LiN:そうです。この曲をらんらんホールで演奏したら映えるんじゃないかって思ったのでフル尺展開していったんです。で、いつもとは違う明るさを出してみようと思って、歌詞も普段は言わないことを書いてみて。割とストレートに表現していると思います。

──もし、らんらんホールでのワンマンが決まっていなかったら歌詞の内容も変わっていたかも?
LiN:そうかもしれないですね。

──あと、気になったのですが、この不思議なタイトルにはどういう意味があるのでしょう?
LiN:「ビリブオアノ」というのは、ビリーブ オア ノットのことなんです。信じるか信じないかは、という意味なんですけど、何をするにもお前次第だぞというところを表わしています。希望を与える曲というとちょっと大袈裟かもしれないけど、新年度を迎えるにあたって色々と環境の変わる人も多いじゃないですか。そういう人たちに向けて頑張ってねっていう曲です。

──LiN曲にしては今までにない要素が出ているだけに、他のメンバーから見てこの曲はどのように映っていますか?
莎奈:LiN曲っていつも予想を越えてくるんですよね。それに、自分がこの曲を作れるかと言われたら、作れない。それだけ独特っていうのもあるし、わかりやすさと同じぐらいに個性が出ていると思うんですよね。それって結構すごいことなんじゃないかなって。それから、この曲はわかりやすい上にユナイトの表題にはなかったタイプのコード進行なので、8年やっているのにまだ新しいことがやれるんだなぁって感心しました。
ハク:僕も莎奈さんと同じ意見なんですけど、LiNさんの曲って1曲の中で展開が激しく変わるっていうのが多いんですよね。そこで曲にメリハリが生まれていたんですけど、この曲は展開激しくないけどちゃんとメリハリがあって。こういうA面っぽさもLiNさんが作る曲にあるんだなっていう印象です。
未緒:パッと見、めちゃめちゃ味しなさそうなおにぎりなんだけど、中を開けたら具材が超入っているっていう感じ。言い換えると、ギターの音とか軽めだから聴いた瞬間はあっさりしているように感じるけど、やっていることは超小難しいんですよね、この曲。そこが聴き手にどれぐらい伝わるかわからないけど、軽い音=かっこ悪いっていうイメージは覆せるんじゃないかなって思います。
──結さんから見て、この曲はいかがでしょう?
結:できあがった歌詞を見て、これはLiNくんがすごく考えて書いてくれたんだなって思ったんですよね。僕が言いたいことも考えつつ、自分の考えやバンドが8周年を迎えて伝えたいことも入れてくれたんだなって。そこが読んでいて伝わってきたので、LiNくんありがとうっていう感じですね。
──ちなみに、この歌詞で自分の心に刺さった一文はどこですか?
結:僕は、《ただの石も 君が選べば全部ダイアモンド》っていうところが好きですね。
ハク:俺も同じところ良いなって思った。
莎奈:こういう直接的な表現って珍しいよね。
LiN:そうだね。過去の自分を否定するわけではないんですけど、アーティストって人間性が出ると思うんですよ。だから、本名の僕がかっこよくないとLiNもかっこよくなれないと思っていて。
莎奈:いつもは曲を作る際にLiNだったらっていうことを考えていたけど、この曲では本名の自分も入れてみたってことかな?
LiN:そういうこと。LiNはもちろん、本名の僕も愛してほしいんですよ。

──それはきっと、8年バンドを続けてきたことの自信の表れでしょうね。
LiN:あぁ、そうかもしれない。最近、他のメンバーもユナイトとは別のプロジェクトを始めるなど色々なことに挑戦しているんですけど、それは結成初期には絶対にできないことですからね。なので、僕も作曲しかり、器用に生きていこうかなと思ったんです。

──カップリング曲の「離見」は莎奈さんの作詞・作詞ですが、「ビリブオアノ」とはまるで雰囲気が違いますね?
莎奈:歌詞に関しては、今のユナイトの状態で僕が絶対に言いたいことっていうのがなかったんですよね。それで書くことをずっと探していたんです。で、あることがあって、それに対しての言いたいことっていうのを書いていったんですけど、あることが何なのかっていうのは敢えて僕からは言わないでおこうかと。読んで自由に受け取ってもらえたらなと思います。

──歌詞もそうですが、曲自体がとても耳に残ります。ライヴでも良い感じに見せられそうではないですか?
莎奈:そうなれば嬉しいですね。まだどういうふうになるか想像できないのでライヴでたくさんやっていきたいです。あとは、結さんが歌っていて面白い感じにしてくれるかなと(笑)。

──結さんは、「離見」をライヴでどのように見せていきたいと考えていますか?
結:この曲って僕の中にあるヴィジュアル脳で聴くとライヴで盛り上がる感じだと思うんですよ。モッシュとかもできるだろうし。ただ、歌詞だけ見るとメッセージ性が強いので、聴き手の自由に任せたいというところはありますね。あと、僕は最近、ライヴの楽しみ方というのが2つあって。昔はとにかく動いてライヴ感を楽しむという感じだったんですけど、最近は静かな曲をしっかりと歌うのも楽しくて。この曲ではその2つが見せられる曲だと思うので、バランスを取って楽しみたいなと思います。

──未緒さんが作詞・作曲した「silence dreamer」は、リード曲でも良いぐらいのインパクトがありますね?
未緒:選曲のときに「ビリブオアノ」とこの曲、どっちをリードにするかって話になったんですけど、らんらんホールのことを考えて「ビリブオアノ」をリードにしたといういきさつがあるんです。

──そうでしたか。では、この曲を作る際、未緒さんの中で大切にしたことはありますか?
未緒:意識したのは、自分の中のストレートなバンド感。アルバム『NEW CLASSIC』でファンクとかEDMミュージックに挑戦したんですけど、そうやって幅を広げた中でのストレートな音楽というのが自分の中でなかったので、そういうのも本作には1曲あった方がいいだろうなと思って書いたんですよね。
──ファンの人が思い描くユナイト像というのが、この曲には詰まっている気がします。
未緒:曲の感じとしてユナイト感というのはあると思うんですけど、このサビのメロって実は理論的には俺っぽくはないんですよ。歌詞が英語っていうのもあるんだろうけど、違う一面が出せたと思います。

──なるほど。となると、ユナイトっぽさを感じさせてくれたのは、ヴォーカルのおかげかもしれません。
結:この曲は僕も好きなので良い感じに歌えたと思います。今回、未緒さんと2人だけでレコーディングしたんですよ。それで、歌いたいように歌っていいよって言ってもらえて。それもあって、曲の良さを出しつつ自分らしさも出せた印象がありますね。

──そして、インタビュー中に何度も話に出ましたが、3月30日に日テレらんらんホールで8周年記念ワンマンがあります。何をやるかなど、もう具体的に決まりましたか?
莎奈:決めていると思いますか?
LiN:この僕らが?

──早い話、何も決まっていないと。
莎奈:まぁ、決まっていないわけではないんですけど(笑)。

──詳しくはまだ教えられないということですか。
ハク:というより、今は目先のことを考えてやっていきたいんですよ。

──確かに、らんらんホールまで幾つかライヴはありますからね。
ハク:そうなんです。あと、らんらんホールでは「ビリブオアノ」に収録されている3曲がフィーチャーされると思うので、その曲だけでもどんなライヴになるんだろうなって。
莎奈:ホール自体が特殊な作りになっているので、普段とは違ったことがやりたいなと。遊園地って色々なアトラクションがあるじゃないですか。それと同じようにユナイトも色々な側面を持っていて。それらが組み合わさることで広がりを見せられたらいいなと思っているんですよね。せっかくの8周年なので色々なことをやりたいし、僕らも楽しみたいと思います。

Interview:ERI MIZUTANI

2019.3月号 ベル

──先日、最新ミニアルバム『続々・鐘が鳴ったら事件が起きる』をリリースされましたが、以前も似たようなタイトルで作品を出されていますよね?
ハロ:はい。第1作目の『鐘が鳴ったら事件が起きる』と、その次に出した『続・鐘が鳴ったら事件が起きる』に続いて、今回の『続々、鐘が鳴ったら事件が起きる』となっています。
──前2作は会場限定での販売となっていましたが、今作は全国流通という形でのリリースとなっているんですね。
明弥:違いとしては、会場限定盤はライヴ会場や通販でしか売っていなかったんですけど、今回はCDショップに置いてあるので全国どこでも買えるという感じですかね。
ハロ:それこそ、『鐘が鳴ったら事件が起きる』をリリースしたときって、まだツアーも出たこともないような状態だったんです。でも、そこから4年が経って、ありがたいことにツアーもたくさん出られるようになり、こうしてベルの音源がどこでも手に入るようになったというのはすごく嬉しいです。
──作品を並べてみるとわかるのですが、やはりベルの世界観はブレていないなと感じます。
明弥:そうですね。今のライヴで昔の曲をやっても歓声が上がるので、昔の曲もちゃんと人気あるんだなっていうのは実感あります。あとは、原点回帰じゃないけど、色々なことをやってきた4年間でもあったので、ここでもう1回、バンドコンセプトである歌謡曲というところにしぼった音源を作ろうということで制作を進めていきました。
──それだけに、このタイトルにした意味があると?
正人:そうですね。このタイトルだからこそ作品が作りやすかったというのもあります。あと、曲が上がってきた時点で、みんなが『鐘が鳴ったら事件が起きる』をオマージュしているなと感じたんですよ。なので、ドラムとしても昔の要素を取り入れていこうと思いましたね。
──敢えて聞きますけど、このタイトルにしたことによって作曲面で難しかったところはありましたか?
明弥:それはあんまりなかったです。元々、歌謡曲も好きだし、もっと突き詰められるだろうという気持ちでいたので、改めて60年代ぐらいの歌謡曲を聴き返してみて(笑)。そうしたことで、楽しく作曲することができました。
──夢人さんも、作品タイトルにしばられることなく作曲に取り掛かることができましたか?
夢人:むしろ楽しく作曲できました。
──なるほど、そうなんですね。
ハロ:あと、僕たちは今年で5周年を迎えるんです。なので、さっき明弥も言ったように原点回帰の気持ちを持ちつつ制作に取り掛かったというのは大きいですね。
──『続々・鐘が鳴ったら事件が起きる』は、タイトルと同名のSEから始まります。
明弥:昨年9月のワンマンツアーから使っているSEなんですけど、SEを入れたアルバムってしばらく出していなかったので入れたくて。ドラムも打ち込みではなくちゃんとレコーディングしているので、聴いていてテンション上がりますね。
──続いての「自我の水槽」は、SEありきで作曲していったのですか?
明弥:そういうわけではないですね。でも、並べて聴いたときにインパクトがあったし、ライヴのテンションで2曲目にいけると思ったので、ここはノリの良い曲がいいなと。ちなみに、この曲はアルバム制作の中で最後に作ったんですよ。何か新鮮なことをやりたいね、っていうのをツアー帰りの機材車の中で正人と話していて。そこで、スタスタしたリズム、すなわちブラストビートの曲ってやっていないよねってなり、できあがったのがこの曲なんです。
──意外性がありました。
正人:このリズムをベルで取り込んでも違和感がないというところで僕らの進化は感じてもらえるはずです。ただ、ドラム自体は歌謡ではないんですよね。だからといって、90年代ヴィジュアル系という感じでもない。むしろ、割と新しめなリズムを意識して叩いていったんですけど、とりあえず腕に乳酸が溜まりますよね。それだけ動いている曲です(笑)。
ハロ:スタスタっていうリズムだと、黒っぽいヴィジュアル系っていうのがまず浮かぶと思うんですよ。けど、この曲は構成やメロディが歌謡という部分でのフレーズとして出てくるので、自分たちの覚悟が表れている1曲なのかなと思いましたね。
──ハロさんがこの曲の歌詞を書く際に意識したことは何でしたか?
ハロ:今までベルの曲って割と恋愛物の歌詞が多かったんですよ。でも、曲が今までと違う要素を入れてきているので歌詞も今までどおりでは面白くないと思ったんです。それで、今回は、自分って何だろうっていうテーマから入っていったんですよね。今後行うワンマンツアー「誰ガ為ニ鐘ハ鳴ル」にもつながってくるんですけど、誰の為に音を鳴らしていくんだろうって考えたときに自分と向き合う時間が増えたんです。で、そうなったときに、人間誰しもが持つ二面性に焦点をあてて歌詞を書いていこうと思ったんですね。ここでは、自制心や好奇心を1つの水槽に見立てているんですけど、押さえ込もうとすればするほどいつかは溢れてしまう。そうした思いから歌詞を書いていきました。MVは曲にガッツリと世界観を寄せて撮っているのでそこは見所かなって。
──ということは水槽が?
ハロ:出てきます。水族館にあるような大きな水槽がある場所で撮影できたので、イメージどおりというか、こだわって探した甲斐がありました。
──「夜行列車」は夢人さんの作曲ですが、どのようにして出来上がった曲なのでしょう?
夢人:これでもかっていうくらいのthe歌謡曲に仕上げました。くどいくらいの(笑)
ハロ:「自我の水槽」と同じように、これも曲ありきで歌詞は書いていきましたね。夢が歌詞は任せると言ってくれたので、前から書きたいなと思ったテーマを持ってきたんですよ。とはいえ、僕が夜行列車に乗ったのって子供の頃に1回と、大人になってからは乗ったことあったかなぁって(笑)。でも、夜行列車って哀愁があるなぁって思いませんか。
明弥:わかる。でも、今って、ずいぶんと夜行列車が少なくなったよね。
ハロ:そうなんだよね。ここでは、失恋した女の人が夜行列車に乗って新しい土地に行くっていう内容になっているんですけど、今までの歌詞と違うのは、カシオペアっていう実在する夜行列車の名前を歌詞に出したところですね。
明弥:この曲でベースはスラップやルートを入れてるんですけど、普通のスラップ奏法ではなくタイトでリズムを意識して弾いていきました。
正人:ドラムは、歌謡のドラムに寄せたという感じですね。今時のドラムで8ビートで四分音符の頭にだけしかキックを踏まないというのはなかなかないと思うので、やっていて楽しめましたね。
──「再定義」はライヴで映えそうな曲ですね?
ハロ:これもスラップ入ってくるよね。
明弥:うん。自分で作っておいて言うのもなんだけど、こんなに難しくしてしまって後悔してます(笑)。
正人:難しいよね~。
明弥:元々、ギターとベースのユニゾンをメインで作ったので難しい曲になるだろうなとは思ったんですけど、挑戦心ということでやってみました。あと、この後に出てくる「ルイスキャロル」と実はテンポが一緒なんです。
──それは気付きませんでした。
明弥:ですよね。BPMは一緒なんですけど、リズム次第でこんなにも雰囲気が変わるんだよっていう。
ハロ:それを知ったときは驚きました。
正人:俺も(笑)。
ハロ:「再定義」と「ルイスキャロル」は並べて聴いてみても面白いかもしれないよね。
明弥:それはほんと、ミニアルバムならではの楽しみ方だと思う。
──「ルイスキャロル」の歌詞はかなり過激な内容ですね?
ハロ:「再定義」は現代人に切り込んだ歌詞にしていこうと思って書いたんですけど、「ルイスキャロル」に関しては僕らが掲げる歌謡サスペンスに乗っ取って書いたところはありますね。それで、歌詞が事件性を匂わすような内容になっているんです。一見、不思議の国のアリスの世界観が描かれているように感じると思うんですけど、ここでの本当のテーマは小児性愛なんです。なので、可愛らしい曲ではないし、かなりのダークファンタジーに仕上がっていると思います。
正人:歌詞を書いた人の欲望が出ていますね。
ハロ:やめてよ(笑)。言っておきますけど、これは完全にフィクションです。
──「やってないわ」は、ベルの人気曲「やってない」をオマージュして作ったのかなと気になりました。そもそも、夢人さんはどのような思いで、この「やってないわ」を作っていったのでしょう?
夢人:「やってない」を超えるライブ曲を書きたいなら「やってない」の力を借りてみよう。と(笑)
──ライヴで早く聴きたいです。
ハロ:「やってない」を知っている人なら楽しめると思うし、続きを書くのに値する曲だなぁと。「やってないわ」では、いじめられていた子が転校してしまった後のクラスを描いているんです。1人がいなくなったからといっていじめが終わるわけではなく、普通に次のターゲットが生まれて繰り返されていく。そうした悲しい輪廻を歌詞で表わしているんですよね。
──「三丁目ブルース」は明弥さんが作詞・作曲を担当されていますが、これはもう、ザ・歌謡曲ですね?
明弥:ムード歌謡に近いですね。あと、この曲でこだわったのは、プリンセス プリンセスの「M」って知ってますか。あの曲を歌うときって、みんなサビではなくAメロから歌いますよね。それは、1サビが終わったあとにすぐAメロがくるからなんです。そうしたギミックを「三丁目ブルース」で取り入れてみました。なので、サビよりもAメロの方がインパクトがあるように聴こえると思います。
──歌詞でこだわった部分は?
明弥:歌詞は、「やってないわ」同様、言葉を繰り返して入れたかったんですよね。それで、最初の部分から《私踊ります 今宵踊ります》としているんです。なので、この曲だけでもかなりの音楽理論を勉強して作っていきましたね。
──「サクラグラフィー」は軽やかな曲ですね。
ハロ:これ、めちゃくちゃ曲が良いですよね。
明弥:当初、これをMVにしたかったぐらい。
正人:俺もそう思ってた(笑)。
明弥:ただ、歌モノのMVはこれまでにもあるし、それで考えると季節モノのMVもベルにはたくさんあるなぁって。なので、これは敢えて音源だけで楽しんでもらおうと。ミニアルバムの締めを飾るのに相応しい曲になったと思います。
ハロ:ベルって今まで季節の曲はあったんですけど、春の曲はこれが初めてなんですよ。ちょうどリリースのタイミングにも合うし、ほんとピッタリとはまりましたね。
──ライヴでも気持ちよく演奏できそうではないですか?
夢人:そうですね。どちらにせよ今回も演奏がめちゃめちゃ難しいのであらかじめ練習を重ねてライブに望みたいと思います!
明弥:歌をメインにしたかったので楽器がゴチャゴチャするよりもシンプルにいこうと。
正人:イントロのリズムはこれにしたいって俺があっきーに言ったんですよね。曲の哀愁感というか、そこをどうしても出したかったので。あと、イメージしたのは『続・鐘が鳴ったら事件が起きる』に入っている「万華鏡」の続きなんですよ。なので、この曲のCメロの歌入りのところは敢えて「万華鏡」と同じフィルにして。そういったところも聴いて楽しんでもらえたらなと思います。
──3月からワンマンツアーが始まりますが、そこではミニアルバムの曲は全部聴けそうですか?
明弥:そうですね。このワンマンツアーで全国に新しい曲を届けにいきたいし、ミニアルバムを聴いてベルが気になった人はぜひワンマンツアーのどこかに遊びに来てもらえたら嬉しいですね。
ハロ:今回、ワンマンツアーだけでなく、リリースにあたって面白い仕掛けを他にも用意しているんですよ。それもタイトルにかけて事件を起こそうという主旨で考えたので、全て楽しくできていたらいいなと。あとは、ワンマンツアーでも事件が起こせたらいいよね。
明弥:まぁ、ライヴが事件みたいなものなので、ハラハラ、ドキドキしながら楽しんでほしいです。
Interview:ERI MIZUTANI