2019年12月25日水曜日

2020.1月号 REIGN


--ME」のミュージックビデオが解禁されていたこともあり、曲の製作は早い段階から始まっていたのかなと思ったのですが?
郁磨:曲作りは早かったんじゃないですかね。「ME」はTANOと龍史の合作なんですけど、どうだった?
龍史:もう、大モメですよ。結成6年目で1番モメたといってもいいぐらい。
郁磨:傍から見ていてもすごかったですから。

--それ、穏やかじゃないです(苦笑)
TANO:今のは盛りましたね()
郁磨:あはは()実際のところは、まずなんで合作になったかって言うと、元々TANOと龍史が作ってきた曲があって。それで、俺と和春が意見を乗せていったときに、それぞれの良い所をつまんでいこうってことになったんです。そうした流れの中で進行していったんですけど、これがなかなか難しくて。
--2曲を1つにまとめるわけですからね。その前に、今回の制作にあたって今のREIGNが打ち出したいことって何だったのですか?
郁磨:曲に関して単純に言うと、リード曲はメッセージ性のあるものが良いということで、メッセージにのっとるサビやメロディを理想としていましたね。そこを前提として曲作りを進行していったんですけど、曲が持つ勢いはそのままに、音で聴いた段階からライブが見えてくるようなものは大事にしていって。
TANO:ただ、曲自体は早めにできていたんですけどくっつけるのにちょっと時間がかかったんですよね。というのも、2曲ともタイプが違うものだったので削ることも必要でしたし。

--バランス調整が大変そうです。
TANO:まさにそこだったんですよ。でもどちらの意見も反映したかったので結果的には良い話し合いの下で進みましたね。

--TANOさんが最初に持ってきた曲というのは「ME」の中でどこら辺にあたるのです?
TANO:僕は主にサビを作ったんですけど雰囲気だけでいうと明るい感じだったんですよね。なので龍史が持ってきた曲のダークな雰囲気と上手い感じにあったのかなって。
龍史:テンポ感も似ていたし、キーも一緒だったからね。

--では龍史さんが自分の作ってきた曲で活かしたかった部分というと?
龍史:イントロからイケイケな感じで持ってきたので、そこを如何に音で表現するかっていうのはずっと考えていたところではありましたけどね。

--イントロの爆発力を始めサビまでの展開も秀逸ですし、これはほんと合作して良かったと思います。
龍史:結果オーライですよね。

--歌詞は郁磨さんが描かれていますが、ここではどのようなことを表現したいとおもったのですか?
郁磨:「ME」単体というより「ME」「sin」「Ray」という3つの収録曲がならんだときに、どの歌詞がどの曲にいっても成り立つという関係性で書いていきたかったんですよね。あと、今回は書き方を変えてみて。

--何かきっかけがあってそうしたのですか?
郁磨:ツイキャスをやるようになってお客さんの声を聞ける機会が増えたんですよね。それもあって今まで踏み込んでなかったような部分まで踏み込んで歌詞を書いてみようかなって思えたんです。年々ヴィジュアル系ファンが置かれている状況って変わってはいると思うんですけど今ある現状を自分なりに書いていったというか。まぁ、見ようによってはタブーをつついている感じではありますね。

--これまでは自分の気持ちを前面に出していた歌詞が多かった気がしますがこうしたタブーをつつくような歌詞もよいものですね。
郁磨:そういった書き方が今まで一切なかったわけじゃないんですけど、やっぱり今だからこそ書けたというところはありますよね。今のあなたたち=(イコール)ME、つまりは聴き手を表しているんですけど、その時その時で思ったことを切り取った言葉というのは、書き方が同じようでも伝え方は変わってくるんですよね。だからこの歌詞は今でないと出せなかったかなと思います。

--これらを踏まえ、和春さんが演奏面で意識したことというとなんだったのでしょうか?
和春:うーん何だろう。いつもと同じように今まで通りの感じで叩いたというのもあるし、この曲は選曲の時からわかりやすさというのが出ていたので、最初に感じた直感を大事にして叩いていったというのはありますね。あと、万人受けという意味ではなく、この曲は聴き手の幅を広げられるんじゃないかと思っているんです。なので、REIGNというバンド名は知っていても曲をまだ聴いた事がない人にこの曲が届けばいいなっていう気持ちはありますね。

--そして冒頭でも話題に挙げましたが、ミュージックビデオも今回は見所がたっぷりではないですか?
TANO:今回メイクチェンジを取り入れてみたんですよ。これは龍史の案で。
龍史:一番出したかったのは躍動感なんです。前に突き出していく感じが映像を通して出せればいいなと思ったので、そういう意味ではうまく表現できたんじゃないかなと思います。

--カップリングの「sin」は龍史さんの作品ですけどこれも早い段階から制作していたのですか?
龍史:この曲はデモの段階で締切が設けられていたんですけど、その前々日くらいにライブをしたときに、自分の中で思うようなライブが出来なかったんですね。もう少しこういう曲があったらメリハリがつくんだろうなって考えるところがあったのでそれを形にしていこうと思って2日くらいでバッと書きあげていきました。この曲だけじゃなく今のREIGNの流れでこういう曲が良いエッセンスになっていくんだろうなっていう上でいつも書き始めているのでこれもその一つかなと。

--そこを前提とした上で自分の聴きどころを挙げるとするならば?
龍史:正直、ベースをメインに曲を書くことってあまりないので、この曲に関して言うなら聴きどころは歌かなぁ。最後のサビの静かになって歌だけで入り始めるところがあるんですけど、そこが個人的には1番好きです。

--ライブで良い緊張感が生まれそうですよね。
龍史:空気というか流れを変えるにはちょうどいい曲なのかなとは思います。
郁磨:この曲は歌詞を書いているときにライブが見えましたね。演出しかり照明しかり、雰囲気全てにおいてこの空間を観てほしいなって。そういう見せ場のところではこういう言葉を使おうとかめっちゃ考えましたね。具体的に何が言いたかったのかというと「ME」と同じように、シングルタイトルに付けた「Hidden」の裏側を表していったんです。ここではパーソナルな部分、個人的に隠している何かというのを書いていて。それを出す方がいいのか、出さないほうがいいのか、そこを神秘的な雰囲気で包んでみました。

--そこまで想像して書いたからこそ、聴き手に伝わるものは大きそうですね?
郁磨:曲のタイトル、シングルタイトル、そして全ての歌詞をひっくるめて聴き手の何かというのを意識しているのでどれかしらマッチングするものはあるだろうし、より歌詞についても見てほしいなとは思いますね。

--TANOさんと和春さんは「sin」をライブで披露する際の絵というのは既に見えていますか?
TANO:そうですね。この曲、デモで上がってきてから結構変わったんですよ。その時も良かったんですけど、郁磨くんの歌録りが終わって完成したMIXを聴いたらより、良い曲だって感じましたね。だからライブで演奏するのも楽しみです。
和春:俺的には、そもそもこれ叩けないなっていう状態からはじまったんですよ()。だから今は良い意味で試行錯誤中です。でも、ここから見えてくるだろうなって自分で感じているので必死で練習していくのみって感じですね。

--もう一つのカップリング、「Ray」も龍史さんの作曲ですがこちらはどのようにしてできあがったのでしょう?
龍史:来年313日に大阪BIGCATでワンマンツアーのファイナルをやるんですけど、そこでライブをやるということをテーマに置いて書き始めていった曲ですね。デモの段階でメロやコード進行を色々と変えていってこの形に落ち着いたんですけど静と動をなるべく極端に表現したくて。それで、アコギからの激しいところがあったりして。そういう意味では物語も作りやすかったと思うので歌詞も書きやすかったんじゃないかと思います。

--盛りだくさんの展開ではありますがとても聴きやすく仕上がっていますよね?
龍史:作曲する自分の好みというのもあるんでしょうけど色々と盛り込んでいる割には飽きずに聴けると思います。あち、これもREIGNならではなんですけどヴォーカルとは別にゲストの女の子に台詞で参加してもらっているんです。そこも面白く聴けると思いますね。

--曲の冒頭からインパクトがあるのでこれはそのままライブでも再現してもらいたいなと。
龍史:そこは、郁磨次第じゃないですか。
郁磨:じゃあ女の子の声と男の声を両方使い分けて歌うしかないですよね()
TANO:でもこの曲は龍史っぽいですよね。だからこそ龍史はこういう音を求めているんだろうなっていうのを自分なりに考えて弾いたんです。これ、めちゃくちゃピッキングハーモニクスが入ってるんですよ。個人的に得意というのもあるのでふんだんに入れていきました。
龍史:良かったと思うよ。この曲、昔だったらベースはもっと暴れていたと思うんですよね()。でもベースらしいベースにしようと思ったので、音もそうだしフレーズも敢えて抑えているんです。ベーシストとしてちゃんと土台を支えることができたと思っています。
和春:僕、ライブではレコーディングと違うものを演奏することが多くて。だから、レコーディングが一番の試練という感じではあるんですよね。これは3曲の中でもいちばん頭を使ったんじゃないかな。テンポ感的にも勢いでいけないので、しっかりと縦を刻みながら裏でアクセントを取って叩くので頭の中がすごくこんがらがるんです。なので、これも練習あるのみですね。体にしっかりとリズムを入れていきたいと思います。

--先ほど龍史さんが歌詞は書きやすかったんじゃないかとおっしゃっていましたが歌詞を手掛けた郁磨さんとしてはその辺りはどうだったのです?
郁磨:書きやすかったですよ。メロディがあると言葉の制限というのがあるんですけど、この曲は台詞があるおかげでストーリー付けやすかったというのはありますね。曲が立体的だったからこそ情景が見えやすいというか

--ここでもメッセージ性が強く出ています。
郁磨:ただ「ME」よりも救いようがないというか。自分の性格上ポジティブな歌詞は得意なんですけど、ポジティブな部分だけに賛同してもらいたいわけではなくて。だからこそ今回はシングル全体を通して目の前にいる人を歌いたかった。だから、救いようがないのも人間らしいなと。まぁこの曲で救いがあるとしたら、「Ray」というタイトルですね。

--救いようがないと言いながらも、この曲は希望を感じるんですよね。そこは郁磨さんが聴き手のことをしっかりと考えて歌詞を書いているからなのかなと?
郁磨:僕としては自分を含めもっと人間を見たいなって思ってるんです。だからこの曲を聴いた人たちが私もそう思ってるって感じてくれたら嬉しいところはありますよね。さすがに6年も一緒にいたら分かりあえているる部分はあると信じたい。
龍史:今回は3曲とも多種多様なのでワンマンだけでなくイベントライブでも武器になるんじゃないかなと思います。

--来年1月からは6周年記念ワンマンツアーも始まります。3月のBIGCAT公演に向けて、今は気合い充分といった感じでしょうか?
郁磨:そうですね。金沢や岡山といった普段あまり行けない土地に行くのも楽しみだし、初日は僕の地元なんですよ。とはいえ自分を立ててもらおうなんて気はさらさらないですよ。初日に地元でライブできて嬉しいなってぐらいです()。でも今回のシングルは1つのライブを構成する軸となるはずなのでそれを引っ提げてツアーが廻れるというのはすごく楽しみだし、BIGCAT以降のことも念頭に置いてやっていくライブとなるので観る側としても楽しみにしておいてほしいですね。

Interview:ERI MIZUTANI