2019年3月25日月曜日

2019.4月号 SCAPEGOAT

――SCAPEGOATが活動休止したのは昨年11月のこと。それだけに、再始動するのはもう少し先になるのかなと思っていましたが?
春:いやぁ、長かったですよ。

――メンバーとしては、この休眠期間を長く感じていると。
LAYHA:確かに、僕らと受け取り側の差というのはあると思います。僕ら的にはだいぶ長い気がしているんですけど、お客さんからしたら意外と早く戻ってきてくれたと思ってくれている人が多いかなと。

――これだけ早く戻ってきてくれて嬉しいですよ。再始動にあたり、新メンバーの加入も発表されましたが、どのようないきさつでUさんがSCAPEGOATに入ることになったのですか?
春:ドラムを探そうってなったときに、Uがやっていたバンドが解散するっていう話を聞いて。元々知り合いで交流もあったんですけど、バンド解散後は他で組むんだろうなと思って声はかけていなかったんです。どうせ、声をかけたところで断られるだろうなと思っていたので。ところが、Uからまさかのレスポンスがありまして。
U:そうなんです。SCAPEGOATとは対バンとかで一緒になることが多かったんですけど、好きなバンドだったのでよく見ていたんですよね。なので、良いなとは前から思っていたんです。

――では、UさんはSCAPEGOATがドラマーを探していると知り、これはもう自分しかいないだろうと?
U:そんなことは思わなかったですけど(笑)、やりたいなぁって。けど、なかなか声をかけづらかったんですよね。でも、その後でメンバーのみんなと話をする機会があって、一緒にスタジオに入ることになったんです。

――そもそも、こういったドラマーがいいよね、という具体的な話は3人の中で出ていたのですか?
春:こうじゃなきゃダメ、これは絶対にできないといけない、っていうのはなかったですね。それよりは、音楽的に気持ちの熱い人がいいなって。そのうえで、うちのバンドに馴染むというか、ライヴを知っていて自然になるような感じというか、そういう人が良いなと思いました。
LAYHA:Uちゃんとは元々知り合いというのもあったんで、スタジオに一緒に入ったときも普通でしたね。良い意味で自然でした。

――リズム隊の相性は大事ですからね。
LAYHA:自分に合わせてほしいというよりかは、これから合っていけばいいと思っているので、特にこういうドラマーがいいというのはなかったんですよ。むしろ、これだけ長くやっているバンドに入りたいって言ってくれるなんてありがたいなぁって。

――なんて謙虚な(笑)。でも、活動歴の長いバンドに加入するのは大変な面もあると思います。例えば、たくさんの曲を覚えていかないといけないとか?
U:最初にスタジオ入ったときは、3曲ぐらい軽く覚えてきてねって言われたんです。で、それを合わせた感じだったので、短時間で一気にたくさんの曲を覚えたわけではないんですけど、俺はSCAPEGOATに入る気しかなかったので、スタジオが終わったあとに、それで次はいつですか?って聞いてしまって(笑)。
さゅら:初めから、加入が決定したかのような雰囲気でしたね(笑)。まぁ、それだけ付き合いは長いので。

――特別な口説き文句も必要なかったと。
Sayula:そうですね。
LAYHA:本来は、バンドに入ってくれませんかって僕らから口説くはずなんですけど、Uちゃんはその逆で。
さゅら:まだ何も決まっていないのに、ライヴ楽しみですね~って言われましたから(笑)。
U:やりたい気持ちが全面に出てしまいました(笑)。

――でも、その熱意があったからこそ、再始動が早まったわけですよね?
春:そうです、そうです。それに、なるべく早く戻りたい気持ちはあったので、ドラマーを入れるより先に自分たちでデッドラインは決めていたんです。それこそ、ダラダラと活動休止しているのは嫌だったし、新しいドラマーを迎えた後でライヴの日程を決めて曲を覚えるとか、そういうことを色々と考えるとこれは間に合わないじゃないかと思ったんですよね。でも、そうやってデッドラインを決めたおかげで、3月23日の再始動ライヴに間に合いそうだなって。

――同時に音源制作も入っていただけに、今はかなり慌ただしい毎日になっているのではないですか?
春:ほんと、バタバタです。
Sayula:今までと比べても最短スケジュールですね(笑)。
春:とりあえず、自分たちの尻を叩くような感じで全ての作業を終わらせていっています。

――Uさんにとっては、既存曲だけでなく、新曲も覚えなくてはいけないというプレッシャーが。
U:頑張ります!
LAYHA:こういう性格だから良いんだと思います(笑)。

――ちなみに、新曲はいつ発売予定ですか?
春:4月24日です。

――ということは、再始動ライヴで新曲を発表しているかもしれないですね?
春:そうなるかもしれないです。
Sayula:しかも、一昨日、新体制になって2枚目の作品のレコーディングも始まったという。

――展開が早くないですか?
LAYHA:変わったんですよ、僕ら(笑)。
Sayula:再始動したら忙しくなるから、やれるときにやっておこうって。

――それほど、曲のストックが溜まっていたのですね?
Sayula:いや、ストックではないんですよね。曲のイメージはいっぱいありましたけど、具体的にやり始めたのは再始動が決まったときです。

――では、新体制になって最初の作品「ラブカ」は、どういったイメージの下に書いていったのですか?
Sayula:曲を作ろうってなってメンバーで話し合いは結構したんですよ。例えば、イメージをガラッと変えようか?とか。でもUが、こういうのがSCAPEGOATじゃない?って意見を出してくれて。SCAPEGOATをすごく好いてくれているからこそ客観的なことを言ってくれたというのは僕の中では大きかったですね。なので、今までを3曲で表わしたわけではないけれど、僕らの得意とするところを3曲作ろうと思ってできたのが、この作品ですね。

――改めて、SCAPEGOATの良さって何だと思いますか?
Sayula:激しいけど歌はしっかりとしていて切ないところがいっぱいあって、っていうところですかね。僕らがSCAPEGOATを組む前、前身バンドとしてやっていたときから掲げていたことでもあるので、それを今改めて提示していこうという気持ちにはなりましたね。原点回帰じゃないですけど、一周まわってきたっていう感じです。自分たちのやってきたことを一歩踏み込んで、もっと自分たちっぽいことをしていこうって。

――それだけに、作曲コンセプトをガラリと変えなくて良かったです。
Sayula:そうですね。あとは、進化したいという気持ちがメンバーそれぞれに話さなくても感じていたとは思うので、曲についてはとても作りやすかったです。

――それと今回は、3曲とも以前に比べてポップスの要素が強くなってきたようにも感じられたのですが?
Sayula:そうですね。そこは、聴いてくれる人に届けたいという気持ちが強くなっているからなのかもしれません。

――表題曲「ラブカ」に関しては、公式ホームページで少しだけ聴けるようになっていますが、ファンの方からの反響はいかがですか?
春:良かったと思います。まだライヴをやっていないのでファンの声を直接聞いたわけではないんですけど、反応は悪くないかなという感じはしていますね。

――春さんは「ラブカ」のデモを最初に聴いた際、どのような印象を受けましたか?
春:俺的には、ガラッと変わったなという印象があって。いつもは、こういう感じねっていう印象なんですけど、それよりかは、良い意味で古くさいなという感じがして。そこがまた、さゅら自身の好きな部分を出してきたなと思ったんです。

――古くさいというより、ヴィジュアル系シーンの懐かしい部分を出してきたという感じですかね?
春:そうですね。自分にとっても核となっている部分というか、そこを出してきた感じがしたのでいつも以上に新鮮さがありましたね。それもあってか、バンド自体は再始動なんですけど、改めて新しいバンドをやるような気持ちもあるんですよ。

――その想いが曲を通して伝わってきます。あと、春さんが書く歌詞も今までとは少し違う印象を受けました。これまではどちらかというと血生臭い描写も多々出てきましたが、今作に関しては、思いの外、言葉そのものがシンプルといいますか。
春:まぁ、そうですね。「赤いバスルーム」のようにあからさまなタッチで書くよりかは、もう一歩先のイメージで書いたというか。読んでみてなるほどって思ってもらえるものにしたかったんですよね。あと、言葉のチョイスとしては前と変えようという感じはあまりなかったです。いつも、曲を作るときは新鮮な気持ちで書いているので、そういう部分では常に新しいことを考えているとは思います。

――「ラブカ」は、タイトルからして何だろうと興味を惹きます。
春:それも、読み解いてわかればいいなと。たぶん、PVを照らし合わせて観てみるとよりわかるのかもしれないですね。

――もちろん、今回のドラムレコーディングにはメンバー全員が立ち会ったということになりますか?
春:以前から立ち会ってましたけど、今回もそうですね。

――立ち会っているのか、監視しているのか。
LAYHA:いやもう、それは応援ですよ(笑)。
春:でも、大変そうでした。
U:めちゃくちゃ大変でしたね。

――今まで自分がやってきたやり方とは異なりましたか?
U:まるで違いますね。それこそ、初めてバンドを組んだときのような感覚でした。一応、たぶんこうなんだろうなって予想はしていたんですよ。でも、実際にレコーディングしてみたら、自分の予想を遥かに越えてました(笑)。今まで、ドラムはうるさければいいって思っていたんですよ。なので、対バンをしたバンドの人からドラムの音大きいねって言われると嬉しかったんですよね。けど、SCAPEGOATに加入して、こうしてレコーディングをしてみると、ここはAメロで歌が出てくるところでギターもこれぐらいでしか鳴っていないからドラムの音もちょっと抑えてって言われて。ちょっとしたことかもしれないけど、1曲の中で波をつけて演奏するともっと良くなるんだなっていうのを知って、もっと頑張らないといけないなって今は思ってます。

――ベース録りで以前と変えた部分はありますか?
LAYHA:今回は時間かけて録りましたね。それと、ベースを竿ごと変えたんですよ。活休したし竿買っちまえ!と思って(笑)。

――気持ち新たに、ですね。
LAYHA:やっぱり、今までとは違う形で帰りたいという気持ちがあったので新しい竿で録って。そうやって気合い充分だったこともあって、録りの最後の方は記憶にないですね。もう、意識がなくなりそうなほどレコーディングに真剣に向き合ってました。
Sayula:ベース録りは僕がジャッジしていたんですけど、何かを超えてやろうっていう気持ちが無意識にあったんでしょうね。いつもの感じではスタートしたんですけど、ドラムから感じるものが自然にあるというか。
LAYHA:そう。で、レコーディングが始まったら2人とも深いところにいってしまったという。
Sayula:そういう感じで、もうちょいいけるんじゃない?っていうやり取りを繰り返してましたね。

――ギター録りはスムーズに?
さゅら:ドラムとベースの音がかっこよかったので、そこに乗せる自分の楽曲のイメージとテイクというところでは僕も時間がかかったので、スムーズということはなかったですね。難しいフレーズはないんですけど、1つ1つのフレーズをより良いものにしようとは思ったので時間がかかったのかもしれないです。でも、何年後も残るような、そして自分たちにとっても、聴いてくれた人たちにとっても、これは良い作品だねって言ってもらえるようなものにしたいと思って作っていったので、時間をかけて良かったと思います。

――カップリングの「おかしくなっちゃう」と「FASCICULUS」はライヴで映えそうですし、とにかく、この4人が演奏しているところを早く観てみたいです。
春:そこは未知数ですね。とりあえず3月23日が過ぎないことには何とも。
Sayula:でもきっと、Uがやってくれると思います。
LAYHA:そうだね。すごくないわけがない。
春:ハードル上げるね(笑)。

――今後のライヴで、それぞれの見せ方はどのように進化していくと思いますか?
春:もちろん、各々で考えているところはあるんですけど、イベントなり、ワンマンなり、他とは違う圧倒的な存在感というのをイメージしてステージに立ちたいという気持ちはあります。そのうえで、今後はより自分を出していけたらなと思っています。

Interview:ERI MIZUTANI