2018年7月25日水曜日

2018.8月号 R指定


──最新アルバム『死海文書』が完成しましたので、率直な感想から聞かせて下さい。
楓:結構、雰囲気が片寄っていると思うんですよね。なので、ある意味、冒険なのかなと。いつもはもっとバリエーションがあるじゃないですか。今回は、1つのコンセプトに基づいた感じがするので楽曲の雰囲気的に。それがうちにはあんまりなかったから、ちょっと冒険っぽいなって。

──本作ではメンバーそれぞれ作曲を手掛けていますけど、『死海文書』という言葉を元に曲を作っていったのですか?
楓:いや、それは違いますね。先に各々が曲を持ってきたって感じです。自分らがそのときにやりたいと思ったかっこいいことを出したとは思いますけど、メイン曲の「予言」はエスニック要素はあるものの、わかりやすさもあり激しさもありという曲なのでR指定らしい感じだなとは思います。

──エスニック要素には意外性を感じましたよ。
宏崇:でも、ドラム録りに関しては、前々からちょこちょこエスニック要素っていうのは言われていたんです。民族系っぽい太鼓の音を入れてくれって。今回、民族系の太鼓を使用したわけではないけれど、エスニック要素が爆発した感じですね。
Z:民族的なフレーズは作曲者であるマモが完成させて持ってきたんですよね。それこそ、「-SHAMBARA-」とかもエスニック感が出るフレーズをマモが作ってきたので、「予言」も持ってきたものをほぼそのまま使っていきました。
七星:エスニックっていう縛りがある分、逆に新しいフレーズを思いつく方が大変ですよね。でも、やってきたやつの新しいやつを作ったっていう感じですかね。

──マモさんは「予言」を作曲する際、今までにないような雰囲気の曲というのは意識したことではありましたか?
マモ:出来たのはアルバムの曲作りの終盤なんですよね。それまでアルバムの代表曲的なものがなくて。『死海文書』ってどんなイメージなんだろうって詰めながら作っていったらこうなった感じなんです。ただ、『死海文書』のイメージで曲は作りましたけど、歌詞はそれに対して書いてはいないんですよ。そのまま書いてしまうと面白くないじゃないですか。なので、あくまでR指定が現実的なことを歌っていこうと思って書いていった感じですね。

──「アポカリプティックサウンド」もマモさんの作詞・作曲ですが、これはどのように作っていったのですか?
マモ:俺、アルバムの2曲目にくる曲ってすごく大事だと思っているんですよ。なので、1曲目には前兆的なところを持ってきて、2曲目でアルバムのイメージが出るようにスピーディーでキャッチーなものを持ってきました。聴きどころはやっぱり、楓のギター1本から入るところかな。そこは1番考えました。
楓:この曲のためだけに7弦ギターを弾こうって決意しましたね。6弦でもいけるんですけどどうしてもあの感じが6弦じゃ出せなかったんで7弦をちゃんと弾けるようにしないとなって思わされた曲ではありますね。なので、ライヴでも頑張ります(笑)。

──Zさんが作曲した「パラレル世界」はアルバムの雰囲気をガラリと変えてくれますね?
Z:自分の世界観重視で作曲とアレンジを進めていったんです。アルバムに添ってはいない分、良い展開にはできたのかなとは思います。なんだかんだ、音使いとかも今自分がやりたいのが出てくるんですよね。
マモ:初めに聴いたとき、良い意味で芯がない曲だなと思ったんですよ。全体的にフワッとしていたので場面の切り替えに使えるかなと思って、アルバムの4曲目に置きました。歌詞の内容としては異世界ですね。現実的ではないと思います。

──「あのこ」はR指定らしいといいますか。
マモ:今までのR指定に1番近いかなと思いますね。何か、自分のファンが“あのこ”って言葉をよく使うんですよね。“何で、あのこだけ”とか。そこからインスピレーションを受けて曲を作りました。アルバムの世界観からは最も掛け離れたものになっているんですけど、Z曲の後に来ることでちょうどバランスが取れたなと思います。
──「月が綺麗ですね。」は七星さんの作曲です。こちらは往年のヴィジュアル系を彷彿とさせるようなサウンドになっているなと思ったのですが?
七星:そういう感じです。その感じを楽しんでもらえたらなと。

──ご自身のルーツを出した感じですか?
七星:まさにそうですね。元々、「毒廻る」のときに1回提示した曲で。それをちゃんとアレンジし直して今回出したっていう感じです。
マモ:七星曲でメロが入っているのを採用したのが久々で。それこそ6年ぶりぐらい。基本的にメンバーが作ってきた曲ってちょこっとメロディを変えたりするんですよ。でも、これは完全なオリジナルですね。でも、この曲はメロディもアレンジも暗いじゃないですか。なので、そのままいっても面白くないかなと思ってタイトルにはギャップを持たせたんですよね。

──次の「シンクロ」は、以前出した「飴玉」を思い起こさせる曲だなぁと。
楓:それは多分すばりだと思うんですけど、作っているときはそこまで意識していないんですよね。というのも、今回デモを3個作ったんですよ。まずバラード、その次に激しめっていう。でも、どっちも何か違うなと思ってこの曲を作ったんですけど、自然体で書くと結局はこういう曲に行き着くんだなって自分でも思いましたね。あと、歌詞が「飴玉」とシンクロしているところが良いなと思ったんですけど、最後の一文が敬語なのがグッとくるんですよね。
マモ:ここでは弱さを見せようと思って。珍しく、楓と相談しながらこの歌詞は書いていきましたね。

──「死の祭壇」はインストゥルメンタル曲となっていますが?
七星:今回作らなくてもいいかなって思っていたんですけど、作らんとって来て。
マモ:俺的には入った方がいいかなって。

──R指定のアルバムにインストゥルメンタル曲は定番となっていますからね。
七星:いつもはアルバムタイトルに寄せた曲を持っていっているんですけど、今回は先にタイトルがなかったのでどんなものにするってマモに聞いて、その注文どおりに作っていった感じです。
マモ:注文としては、エスニック要素があって割とミドルテンポの曲にしてほしいって。それぐらいですかね。

──「NEVADA」はハイテンションなパンク曲になっています。しかも、全編英詞という斬新なアプローチで。
マモ:曲を集めているときに全体的に雰囲気が重いなって感じたので、1曲ぐらいは明るくてストレートな曲があってもいいかなって思ったんですよね。あと、英詞ではあるけれど書いていることは結構重いんですよ。

──そうですね。ただ、パンクとR指定ってあまり結びつかないような。
マモ:パンクをやってたメンバーはいないと思いますよ、昔に聴いてはいても。
七星:学祭でやったぐらい(笑)。

──この曲がライヴでどうなるのか気になります。
マモ:良い意味で遊べる曲だと思います。

──「SODOM」は宏崇さんの作曲ですね?
宏崇:これ自体は3年前ぐらいからあったんですよ。そのときは7弦ギターがなかったから形にできなくて。でも、今回はZから7弦ギターを借りて作っていったんですよね。なので、最初からは随分と形が変わりました。
楓:レコーディングはこれが1番大変でしたね。
宏崇:俺、曲に関して絶対にこうしてほしいっていうことがないので、常にお任せなんですよね。
楓:結果、Zが考えたリードが乗っているんですけど、曲にうまくはまったなという感じです。

──歌詞は、今マモさんが感じていることが全面に出ているような気がしたのですが?
マモ:はい、そうですね。曲を聴いたときに炎が見えたので熱い感じに書いていきました。等身大の自分が出せたと思います。

──アルバムのラストに収録されている「命日」は、5月に行われた生誕祭が曲作りの発想となっていますか?
マモ:タイトルに関してはそうです。やっぱり、最後に1番重いテーマを持ってきたいなと思っていて。でも、楽曲的にはすごく綺麗なんですよね。

──重さと綺麗さを同時に出すのは難しかったと思います。
マモ:そうですね。アルバムのイメージが破滅というところもあったので、最後はこうやってストリングスやピアノの音から始まる方がいいなって。それと、元々は「予言」の前にSEを入れる予定だったんですよね。でも、この曲が終わってリピート再生したときにSEだとあまり面白くなくて。それよりも「命日」から「予言」に戻る方が輪廻転生じゃないけど繰り返される感じがあったのでSEを抜きました。

──アルバムらしい仕上がりになりましたね?
マモ:アルバムとしてドラマティックじゃないとだめだと思ったので、1つの作品としてストーリーがあった方が何回も聴けるかなと。
──それだけに、本作品を引っ提げてスタートする全国ツアーも気になります。
マモ:アルバムが出来たばかりですけど、ツアーを通して成長していくのかなっていう感じですかね。ファイナルは福岡なんですけど、普段演出とか見られない子たちに特効とか見せられる良い機会になるかなと。なので、やれるだけはやろうと思ってます(笑)。

──そして、11月には人間失格ツアーが行われるとのことで。
マモ:初日が渋谷のCrestなんですけど、上京して初ワンマンがここだったんですよね。なので、敢えて初日はここでやろうと思ったんですよね。

──キャパが小さい分、チケット争奪戦になると思いますよ?
楓:当時の規模感を意識したツアーになっているので、チケットは頑張って下さい(笑)。
マモ:ライヴは昔を思い出しながらやれたらいいなと思います。

Interview:ERI MIZUTANI

2018.8月号 SCAPEGOAT


──「メイメイ」は約1年ぶりのシングルになるんですね?
春:ミニ・アルバムとアルバムは1回挟んでいるので、いつもとは変わらない感じではあります。なので、気持ち的にはシングルを久々に出すぞというよりは、シングルを出して1年経ったんだなっていうぐらいですね。

──制作において、シングルとアルバムって意識的に違ってくるものですか?
春:あんまりないですけど、シングルだと表題曲っていう意識はちょっとはあるかもしれないですね。もちろんミニ・アルバムにもメイン曲はあるんですけど、他の曲も目立ってくるかなって。それに比べて、シングルはメインが1曲あるよっていう印象が強いです。
さゅら:アルバムやミニ・アルバムだと曲数が多い分作り込みやすいというか。その中でバンドの今を表現するならこれですっていう感じでパッケージするんですけど、シングルになると限られた曲数の中で、今の自分たちはこういう感じでこういう方向を目指して活動しますって感じで作るので聴きやすさは意識しているかもしれないです。今回は前作から時間があったので、次はどうしようかっていうのをメンバーで少しずつ話していたので、パズルを組み立てるような感じで作りたいものが見えていた気がします。それもあって、バンドの名刺代わりになるような、また、SCAPEGOATらしいキャッチーさを追求した曲になっていると思います。

──表題曲の「メイメイ」は、サビがキャッチーなので聴きやすいですよね。
たつき:さゅららしい、SCAPEGOATらしいサビだなって。今回ドラム録りは苦戦したんですけど、聴きどころとしては最後のサビです。そこはよくできたなと思ってます。

──LAYHAさんも“SCAPEGOATらしさ”というのは意識して録りに臨みましたか?
LAYHA:そうですね。今回は割と3曲ともどんな感じにしようかというのを弦楽器隊で話していたので、曲のデモが来たときになるほど良い感じだなっていうのがあったんですよね。たっきーも言ってましたけど、「メイメイ」はさゅららしい曲だなと感じたし、曲の入りとかも斬新ではあるけれどメロがちゃんとあるので聴きやすいというところでは、うちっぽさは全開にあるんじゃないかなと思います。

──事前にメンバーで話し合ったことで、より良い曲になったのですね。
さゅら:みんなの意見を聞いた方が、結果としてライヴ中にみんなが熱くなりやすいっていうのもあるんですよね。あとは、各々がバンドをどう考えているかっていうのが話し合いのときに垣間見られるというか。こういうライヴの作り方をしたいんだなって思いながら楽曲制作をしてますね。

──歌詞ではどういったことを歌っているのでしょう?
春:前作「道徳アレルギー」を作って、ベスト・アルバムを挟み、次に新曲を作るとしたらライヴのテーマにもしている生きている感じを歌にしたいなと思っていて。そこから考えていってタイトルを決めたんですけど、そこに至るまでには時間がかかりましたね。構想をまとめるまでが大変だったというか。ようは生きている感じを表現するのに範囲が広すぎたんですよね。でも、その中で歌いことはこの辺だというのを1つにまとめていきました。

──SCAPEGOATが描く歌詞の世界は死を表わしているものが多いですよね。でも、今回は生を選んだと。
春:生と死って隣り合わせだと思うんですよ。そういう部分を踏まえた上で生きるということをイメージしたので何回も書き直して形にしていきましたね。ただ、今までの曲がバッドエンドだとは俺は思ってはいないんです。この歌詞もスタートしてゴールしてまたスタートに戻るという感じなので、結局はもがいているというか。なので、エンドは迎えていないんです。

──なるほど。あと、「メイメイ」というタイトルも印象に残りますね?
春:命が鳴くと書いて「命鳴」なんですけど漢字だと読めないと思って「メイメイ」ってしたんです。内容は重くしたかったんですけどファーストインパクトは軽くしたかったのでカタカナにしてかわいくして。そこでキャッチーさを求めましたね。
LAYHA:SCAPEGOATだから山羊の歌なんですか?っていう声もあったけど、それは違うと(笑)。
春:山羊の鳴き声ではないね(笑)。歌詞で英語を使ったのも久しぶりなので、そこもキャッチーかなと。

──今回のMVはリリックビデオとなっていますので、歌詞もハッキリと伝わります。
さゅら:歌詞が目から入りますからね。いつもは演奏している自分たちに目が行くと思うんですけど、よりメッセージ性が強い内容だと思うので、ちょうどいい感じになったと思います。この曲だからこそできたなと。

──「hakuti」はライヴ向きの楽曲ともいえますね?
さゅら:コレクションアルバムを出して、そのときに昔の曲を聴く機会があって。自分が作った曲って次にライヴでやるよっていうとき以外はあまり聴かないんですよね。でも、ミックスするときに聴いて、忘れていたじゃないですけど、こういった曲をやっていた時期あったなって思い出して。それを今やってみようかなと思って作ったのが「hakuti」ですね。

──時期的にはいつぐらいのSCAPEGOATを意識したのです?
さゅら:それこそ、始まって1、2年ぐらいの頃。ダークな世界を改まって聴いてみるとすごくSCAPEGOATらしいなと感じたのでそこを入れつつ、でも当時のことをそのままやってもしょうがないのでセンターにわかりやすいギターの音を置いて。おかげで、ダークでポップなものになったと思います。

──懐かしさを感じたのはそういった部分からだったのですね。
たつき:サビがすごく衝撃的でしたね、僕は。びっくりしたというのは良い意味でなんですけど、もう少しダークな感じでくるのかと思っていたので想像する範囲を超えていたというか。あとはやっぱり、歌詞も衝撃的ですよね。普段なかなかこういうことは言わないなと思って読んでいました。
春:この曲だけは世界観とかを意識せずにバカになって聴いてもらえればいいかなって思うんです。だからといってライヴを意識して書いた内容ではないんですけど、この曲はこういう曲だよっていうのがわかればいいかなって。その上で、ライヴに来たくなるような感じを聴いて受け取ってもらえればいいかなとは思いますね。
たつき:ライヴですごく楽しめる曲だと思うので、サビはお客さんも一緒に跳びはねてくれたらなって。そうそう、この曲はコーラスも頑張りました。メンバーでのパワーコーラスも良い感じに仕上がったのでその辺も聴いてもらえたらなと思います。
LAYHA:リード曲と差を付けたかったので、こっちは支えるベースに徹しましたね。で、サビだけちょっとやりすぎたかなっていうぐらいに弾いてみて。他を支えた分、弾き倒してみました。
さゅら:そんなに弾く?っていうぐらい弾いていたよね(笑)。先にベースを録ってその後でギターを録ったんですけど、ギターのレックはベースが動いている分、僕はコードを鳴らすだけでいいかなと。あとは、春が歌えばSCAPEGOATになるだろうと思っているので、竿隊は自由にやりましたね。

──「ほうかみすい」はタイトルが平仮名表記なんですね?
春:これが最後にデモが来たんですよね。最初は「放火魔」っていうタイトルを付けていたんです。でも、少年的な部分のトラウマを抱えているというイメージが強かったので、平仮名で「ほうかみすい」にしたんですよ。今までの曲って歌詞に出てくる主人公は衝動的に実行するタイプが多かったんですけど、それよりは内に秘めているというか。ここで描かれているのは心の傷を抱えている主人公なんですよね。粘着質な感じというか、気持ちを溜め込んでしまうのって男の人の方が多いと思うので、そこは歌詞でもわかりやすく出したいなって。なので、女の子にはない感情が出ていると思います。
さゅら:曲的にはもっとライヴ曲がほしいなというのがあって。それで、今後のワンマン・ツアーのことも考えて、より武器になる曲を作っていったんですよ。

──攻撃さが増しそうです。
たつき:ライヴではそうなりますね。この曲はレコーディングではすんなりと録れたんですけど、割と激しいんですよね。Aメロもそうだし、Aメロから続くBメロも。片足での速さが求められるところもあったりしたんですけど、ばっちり決めてやりました。
LAYHA:ベースだけでいうとこの曲は、1サビ前のBメロ終わりのところとかの動きはちょっと前の自分だったら思いついてもやらなかったと思うんですよ。というのも、自分が憧れているベーシスト像には当てはまっていないというか。でも、今回はそういうのも入れていこうかなと思ったので、自分で聴いていても新鮮ですね。あと、サビは絶対にメロが立ってくると思ったので、儚さとか切なさをベースでも出せたらいいなという感じでフレーズは決めていきました。
さゅら:ギター的には、サビの《燃えてしまえ 何もかも》の後のディミニッシュが聴きどころです。テッパンのコード進行だと思うんですけど、いつか入れたいと思っていて。それで入れてみたんですけど、やっとできたなと。汚れた雰囲気が曲の持つ世界観と合っているので自分としてはすごく満足しています。

──色々なことに対して新境地を開拓しましたね?
さゅら:より客観的に曲を考えられるようになったかなと思います。すべては経験ですかね。

──9月からはワンマン・ツアー「ぼくらはいつもないている」が始まります。その他にもライヴの予定は目白押しなので夏も大忙しですね?
さゅら:忙しいですね(笑)。
春:ちょうど去年、箇所を増やしてワンマン・ツアーをやったんですよね。今回も同じぐらいの規模でツアーを廻るんですけど、前回と比べてもうちょっとコンセプチュアルにやりたいなと。それこそ、ツアー・ファイナルで見せる感じの内容を全箇所でやっていきたいと思っているんですよ。ただ地方でワンマンをやりたいというのではなく、意味のあるワンマン・ツアーにしたいなと思います。

Interview:ERI MIZUTANI